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プラマイ0を目指す!

本日は島影さんの企画で東京に行きました。事情があって最後までいられないのが残念でしたが、本当に楽しく素敵な時間をいただきました☺️

はじめに参加者の皆さんで自己紹介をしたのですが、幅広い経歴の方々が集まってくださり驚きました。それぞれか活躍されている舞台や背景が違うので、皆で楽しい時間にすることができるのか少し心配しましたが、まったくの杞憂で、介護技術を習得する楽しさにのめり込んで行く皆さんの姿を見て嬉しくなりました!

参加された方々がX(Twitter)で発信してくださっているように、当日は介護技術の型を習得するということではなく、介護をする側とされる側の両方を体験して、互いの感覚を伝え合うことで、双方にとってより良いアプローチを共創するという流れで進めました。『持ち上げらることで不快感が生じてしまう。』とか『これだと腰の負担が強くなってしまう』と、素直に感覚を表現し合うことで、『それならこうしたら良いんじゃないか?』と、アプローチの手段に創意工夫をする。ただ、当事者同士だけだと見えないことは多いんですよね。だからはじめは二人一組で実践していたのですが、途中から3人一組にして観察者の役割を付ける。こうすることで客観的な目線が入るので創意工夫が効率的になるわけです!



介護職は我慢することが多いんです。腰痛は職業病だからと無意識的に強い負荷を当然のものとしていて、本当はツライという感覚を無視してしまってる。腰痛ベルトをすることも当たり前のようになってしまって、自分の心身の感覚を無視するようになってしまう。だからこそ改善も生まれにくいんですね。創意工夫の源泉は自分の感覚に素直になることです。身体への負担が大きいと感じるならば素直にそれを認めて、さらにはチーム全体でその感覚を共有する。一人では解決できなことも多いですが、チームが一丸となれば解決できるでしょう。言葉にすると当たり前のことですが、どうしてかそうならない介護現場が多いのも事実です。どうしてだと思いますか?それってきっと、優れたリーダーがいないとか時間が足りないということではなくて、本当に足りていないのは素直さなんだと思います。利用者やチームのために多少のツラさは我慢するという態度を否定はできないですが、その我慢によって何の改善も生まれない硬直型の組織が生まれてしまうんです。まずは自分の内側に生じる感覚に対して素直になること。そしてその感覚を素直にチームで共有できるようになるということ。また、共有された感覚を改善するために、チームが一丸となって創意工夫ができるようになるということ。チームビルディングやら心理的安全性という専門用語になると摩訶不思議な呪文になりますが、より良いチームを構築するために重要なことは、組織が素直になるというシンプルなことなのではないかと思っています。


『これって実は介護職だけではなくて、利用者も同じことが言えるのかもしれないですね。介助を受けることは痛みを伴うという日常を、利用者も受け入れてしまっているのかもしれません。』

参加者の語り

参加者の方が語られたこの言葉は本当に深いと思います。介護職にとっても利用にとっても、双方に我慢を強いられている介護現場は本当に多いんです。さらに言うと自分の感覚に気づかないようにしているので、我慢している自覚もなく、突然に修復不可能な状態になってしまうこともあります。こうした悲劇を予防するためにも、介護職と利用者がフラットに素直な感覚を表現できる関係性を構築する必要がありますね。介護職のために利用者が犠牲になるのではなく、また利用者のために介護職が犠牲になるでもなくて、共に過しやすい生活の場を構築するチームとしての風土が、利用者と介護職の間で成熟すると、創造性に満ちた本当に素晴らしい現場になります。そのための基礎になるのがフラットな関係性ですが、『言葉としてはよく聴くけど、具体的にそれってなんぞや?』という疑問が生じますよね。特に多職種協働の文脈で出てくることも多いですが、要するにそれは、”個々が内面に生じる感覚を自由に表現できる関係性”と定義できると思います。そうした文化が多くの介護現場に波及すると素敵ですね!


今回の企画は事前に具体的な内容は決めずに、参加者の皆さんの語りから方向付けを行いました。『移乗介助に不安があります。』という参加者の方の語りにチームが共感して、スクラムを組んで共に高め合う。ただ、一定の基準がないと烏合の衆になることもあるので、本来の自分の椅子から椅子への乗り移りを改めて体験していただいて、その時の疲労度や苦痛を確認してもらいました。当然として疲労度も苦痛もないわけですが、その感覚を『プラスマイナス0』と名付けて、そこに向かうように介護技術を開拓するという展開で当日の時間が流れました。

①参加者のディスカッションで課題を共有する。
②それぞれが感じていることを素直に受け入れる。
③目的を定義して、ゴールの設定を共有する。
④チームで試行錯誤して、それぞれが感じることを素直に表現する。
⑤観察者を立てて、試行錯誤を効率的にする。
⑥試行錯誤が目的に向かっているかを評価する。
⑦評価の内容をチームで共有する。
⑧評価に基づいて新たな方向付けと実践を繰り返す。

大筋としてはこのような推移で時間が流れましたが、これって介護技術の向上に有用というだけではなく、理想的なチーム形成を体感するためにも有用だと思いませんか?座学としてのリーダーシップや組織論は多くの方々が学ばれているところだと思いますが、その体感を介護技術の向上というテーマを通じて得られるようにしたいというのが自分の狙いでもありました。個人として意欲だけでは限界があり、組織のあり様によっては成長が阻害されてしまいますね。ですから複数の人間が協調して目的に向かうチーム形成のあり方を学習することで、個人と集団が協調して成長できるようになったら本当に素敵なことですね。そして今回の実践が成功だったのかどうかのキーとなる語りを、参加者の皆さんが最後に表現してくださいました。『介護の質が本当に実在するという感覚を体感してもらえましたか?』という問いに対して、全員が『それはある!』と表現してくれたその言葉こそが、今回の実践の質を象徴してくれたのだと思います。企画してくださった島影さんや参加者の皆さん。素晴らしい時間を有難うございました!

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