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親の介護は突然やってくる

40~50代になると、子育てもひと段落して、親の介護に直面することも多くなってくるようです。親は、70~90代くらいになってきますものね。

50代の私もその一人(笑)。

病院で勤める私の仕事の一つに、入院(転院)を希望する患者さんのご家族との面談があります。その話の中で、急に介護を考えなくてはいけないことってあるんだよなぁって思ったんです。



ある母娘の話

先日、ある患者さん転院相談があり長女さんと入院面談を行いました。

患者さんは、今は近くの総合病院に入院していて、ゆくゆくは施設入所を考えているのですが、すぐには入れないので、施設が決まるまでの入院の相談です。

この患者さん、80代後半の女性なのですが、つい数ヶ月前まで、家事をしたり、同居の長女さん、長男さんの弁当も作っていたそうです。

それが、入院をきっかけに今まで出来たことが出来なくなり、気分的にも落ち込んでしまって、負の連鎖っていうんでしょうか。精神的にもうつ的になってしまって、家に帰ることが難しくなってしまいました。

長女さん、長男さんとの3人暮らしで、2人とも50代、フルタイムで仕事をしています。仕事は辞められないので家ではみることは難しいと言います。

でも、ほんの数ヶ月前まで、家で普通に生活していたのに、急に別人のようになってしまったお母さんの現実を受け止められない気持ちもあると言います。

毎日の当たり前が、当たり前ではないということですよね。

急に親が介護が必要になって、介護保険だとか、施設とか言われても頭がついていかないって言っていました。これが普通の感覚なんだと思います。

ある父息子の話

今度は、50代の長男さんと転院に向けて面談を行ったときの話です。

患者さんは、80代後半の男性です。もともとは話し好きで穏やかな明るい性格のお父さんだったそうですが、妻の介護をしていたのだけれど、妻に薬を飲ませていなかったり、頼んだことを忘れていたり、自分自身の受診もしていなかったり、会話がおかしかったり・・・。

長男さんが、おかしいなと思って受診に連れていったら認知症と言われて、それから、徘徊、被害妄想、暴言など・・・今までのお父さんとは全然違うことに戸惑い、受け止められない気持ちが強かったと言います。

結局、その後入院をしていたら、身体機能も落ちてしまって、今は寝たきりの状態となり、今後は施設を探すつもりで、施設が決まるまでの入院の相談となりました。

この方の場合は、お父さんもそうですが、お母さんも介護が必要ですので、ダブル介護を長男夫婦で行っている状況です。長男さんは、お父さんの様子がかなり変わってしまったことを受け止められなくて面会にいけないんだと言っていました。

子どもにとって、親はやっぱり親。親が変わってしまったという現実を受け止められないということはあるのです。

50代が直面する介護の問題

50代って、自分自身も親になっていることも多くて、子どもは手が離れていることが多い世代じゃないかと思います。

そして、介護が必要になった親をみて、自分自身の老後の心配にも繋がっている気がしますし、子どもに迷惑はかけられないな、なんて思っている世代なんじゃないかなって思うんです。

私自身も、一緒に住んでいた義父の介護をしていました(今は施設入所中)。隣の県に住む実母も認知症があって、施設で生活していますが、私のことが誰かわからなくなっています。

自分の知っている親ではなくなってきていることをなんとなく悲しく思う気持ちと、年がいったんだなぁと思う気持ち、いろいろ複雑ですね。

親には、できることはしてあげたいとは思うし、同時に、自分の将来をみているような気持ちにもなり、自分の老後のことも考えていかないとなぁって思います。

お金の問題、気持ちの問題、そして制度の勉強など、今から備えておけることはあるんじゃないかなって思います。

明日は、身近にあった親の介護問題を書いてみようと思います。

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