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家族のかたちはいろいろ、そこから何を学ぶか

私は、病院で仕事をしています。
入院してくる患者さんのご家族と事前に面談をする場合もあれば、入院後に関りをもつケースもあります。

少子高齢化、「8050問題」をかなり身近に感じるこの頃。
これからさらに進む高齢化にむけて、どんな心構えで生きていけばよいのでしょうか。


最近気になった家族のかたち

入院してくる患者さんの背景で、最初に確認することの1つが、家族構成やキーパーソンの存在です。

80~90代の高齢の独居や高齢者のみの世帯、そして高齢の親と50~60代の息子・娘という家族構成が、ずいぶん多いなあという印象があります。

そして、その問題の背景に、精神疾患や経済的な問題が存在しています。

以前、働いていた病院は、救急車を受け入れる病院でしたので、病院がセーフティネットの一つになっているなぁと感じることも多かったです。

以前勤めていた病院でのことですが。
80代の男性が入院してきました。奥様が寝たきりで介護が必要な状態、一人息子は何十年と引きこもりになっています。他に頼れる家族はおらず、入院した男性が、妻と息子の生活を支えていたのでしょう。妻は、福祉の方の関りがあったので、施設に入れるように手配してくれました。しかし、引きこもりの息子は家で一人となり、その後、自宅で亡くなったと聞きました。

高齢の親がいなければ、生活が出来なかったのでしょうか。

妻が認知症、子供が精神疾患があるという男性が入院してこられ、入院中の生活が心配と訴えられていたり。

ゴミ屋敷で生活していた方もいましたし。

子どもが脳性麻痺で、何十年もどこにも相談しないで家で両親がみていたケースもありました。その子どもさんは私と同じくらいの年齢で、高齢の両親が将来を案じて、やっと相談したのが、病院の相談窓口だったのです。

2つ、3つの問題を抱えて生活している方は、決して珍しくはありません。

親はいつまで子どもの世話をする?

数年前の時のことですが・・・。
入院してきた90代の女性がいました。一緒に住んでいる息子さんに、ご本人のことで家で困っていることは何かを聞いたら、
「最近、(母が)ご飯を作れなくなってきたんですよね」って、真顔で言うんです。

どう思います?

私は、違和感しかなかったんですよね。
もちろん、いくつになっても家庭の中で役割を持っていることは大切です。
でも、もういいんじゃないのかしら。
90代なんだし、ご飯作れなくても・・・。

結局、共依存の状態だったのでしょうね。

8050問題じゃなくて、9060問題の現実。

何が問題なのか、どう乗り切るのか

病気や引きこもりなど、いろんな要因があるにしても、やっぱり、一番の問題は、家庭が社会とのつながりが薄いことなのかもしれません。手を差し伸べてくれる人がいるかどうかでかなり変わってくると思います。

親の介護のために仕事をやめる人や、仕事をしながら親の介護をする。
兄弟姉妹が交代で高齢の親の家に泊まって介護をしている、なんて家庭もあります。40~50代って、子育てと介護がなんらかのかたちで関わっているんですよね。

これをどうやってのりきるか。

  • 介護保険制度などの公的支援の制度を理解しておく

  • 親(子ども)と、介護が必要になった時のことを話しておく

  • 親の年金額やお金のかんりについて把握しておく(子どもに伝えておく)

  • 近所付き合い、友人関係等、社会とのつながりを持っておく

家族の中である程度のことは共有しておくことはとても大切。

我が家も、義父は10年ほど前に脳出血になり要介護の状態(現在は施設で生活)、義母は、数年前に交通事故に合い入院しました。

この時は、ホントにびっくりしました。義父のことを含めて家のことなどはすべて義母がしていたので、本当に困りました。
やっぱり、こんなふうに突然くるんですよね・・・ホント。

だから、何事も自分ごとで、備えていきましょう!!

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