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疲労、徒労、苦労、過労が馬鹿みたいにチャラになる【18】普通の高校教師が、外国につながりのある子どもに日本語を教えるようになった

日本語教師を始めたい方、学校教員を目指している方や始めたばかりの方のお役に立てれば幸いです!

最初に書いてしまうが、
今週から昼休み+5.6時間目になり、
時間配分をミスった!

給食後の昼休みからのスタートという事で、
ALTの先生や元担任が来てくれて、
ロールプレイしてくれたり、
遊んでくれたりした。

前から思っていた事だが、
公立のALTは真面目な方が多く(全員ではない!声を大にして笑)、

ロールプレイその1 にて、
「いっしょにあそびたいです。
あそびかたをおしえてください」

とAさんが言ってからというもの、
会う度に、新しい遊び方を教えてくれる!

本日は、掌を下で両手を出して、
下に置いた人が上に置いた人の手を叩ければ勝ち
という簡単な遊びで、
素早く引っ込めたり、
フェイントをしたり、していた。
軽く自然にスキンシップ出来るし、
気持ちがほぐれるゲームだと思う。

見ていて面白い(ごめんなさい)のは、
何回か前の記事にも書いたが、
あらゆるゲームにおいて、
二人とも何故か致命的に弱いのだ。
ゲームの弱さは国境を越えた!

そんな共通点を持つからか、
人見知りのAさんも、ALTさんと一緒だと
(自分が)離席しても不安がらない。

特筆すべきは、元担任の先生!
ロールプレイその2 にて、
「おねがいがあります。ここにイラストをかいてください」
をALTの先生にAさんが言っているのを
コピー機方面から目撃し、
「日本語、上手になったね!」
と言いながら近寄って来られた時、
目が涙で赤く潤んでいた。

Aさんの「おねがいがあります。…。」を
うんうん頷きながら聞き、
鼻水をすすりながら
イラストを描いてくださった!

確かに、来日当初のAさんは
出したての冷凍みかんかのように
表情も動きも固まっていて、
どこからもほぐしようが無い状態だった。
が、現在は、いちばん外側の皮に親指を入れられるくらいには、なった、と、思う。

支援員として自分は週に一回(2時間)、
日本語学習の時間を与えられていて、
つまり通常学級で担任と一緒に過ごす時間
の方が圧倒的に多い事になる。

特に元担任の先生は、
日本の学校に慣れさせるために
ご苦労されたと思う。

机・椅子の使い方、
学校生活の一日の流れ(休み時間や給食、一斉清掃まで)、
時間割、給食の支援、
着替え(海外では体育着に着替える習慣があまりない)など、

細かい事も伝えないとわからない、のに、
伝えるにしても日本語は通じないし、
翻訳機でネパール語を選んでも、
ネパールは他民族国家なので
わかる表現もあればそうでないものもある。

最近では、簡単な英語の方が意思疎通できるとわかるが、
当初は、ネパール語選択の翻訳機にも
首を傾げ眉間に皺を寄せる仕草をする事が多かったので、
簡単な事を伝える事すら時間がかかった。

しかも、他の多勢の生徒を指導する中で気を配らなければならないので、
当時は手探りで神経がすり減ったと思う。

そのAさんが今、自然な笑顔で、
目の前でアイコンタクトしながら会話する(カンペは持っている)という
成長した姿を見せてくれて、
色んな思いのこもった涙が溢れたのだろう。

🌿Digression(余談)🌿
自分の場合のこういう時っていうのは、
胸がカーッと熱く重くなる。
それはぐーっとエネルギーが増す感じ。
頭の中の車輪のような物が高速で回転し、
現実の自分は、身体の重さを感じなくなり、
少しパワーアップしているのかもしれない。

感動したからって言葉を書くと、
それは安直すぎる。

そういう場面が、
1年365日あって1回か2回くらい訪れる。
その1.2回があるだけで、
それ以外の363.4日の
疲労、徒労、苦労、過労が
馬鹿みたいにチャラになる。

教員になる前には想像できなかった
自分の馬鹿さ加減。

学校教員、大変だけどやってて良かった、
と思う瞬間だ。
これは言葉通り、瞬間(束の間)だけどね!
               🌿おわり🌿


雨あがり


本日の学習内容
一つ目
「日本語学級2」10の後半

これは僕本です(This is my book.)
本は僕です(This book is mine.)

の の使われ方ってたくさんあるよなぁ、と改めて思う。
幸い、英語が少し出来るので、
しばらく反復練習の後に訳したら
「おう!」と理解したごときリアクション
をしてくれた。

二つ目
1年生の教科書の音読
「どうやってみをまもるのかな」を読む。
撥音「っ」とくっつきの「は」に
だいぶ慣れてくれたようだ。

が、最初から自分の力で文を読むのはまだ難しいようで、
身振り手振りで、先生が読んだあとをついていく、と伝えてくれたので、そうする。

「っ」と「は」「を」は色付けした

あくびかみ殺しのタイミングで、
好きな「算数をやろうか?」と言ったら、
「漢字(がやりたい)」と言ったので、
そうする。
「午後の授業だからうっかり眠くなってしまう」みたいな事を初めて言っていた。

あと残り5分で割り算しよう
と思って漢字学習していたらチャイムが鳴る。
時間配分、間違えた💦💦!

うっすら聞いていたが、Aさんは
やはりネパールでは優等生だったのかな
と思われる。先生(大人)の空気を読む。

5年後、10年後、どんな青年に成長していくのか。
越えよ、カルチャーショック!

とても楽しみ!


最後までお読み頂き、ありがとうございました😊🌿

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