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路上生活老人終わりました

妻は思ったほど拒絶しなかった。 期待したほど優しくもなかった。当然だ。 子ども達は心配してくれていた。 思ったほど拒絶されなかった。安心した。 孫も心配してくれていた。嬉しかった。 全てを妻に話した。つもりだ。 しかし出来てないだろう。話す事は上手くない。この投稿を読んで貰う事にしよう。家族の皆にも。 もう路上生活をすることはないだろう。 終わってみれば他愛の無いほんの2日間の話だ。 路上生活を始めた時には長い旅になるだろうと思った。それで書くことにしたのだ。それが

    • 路上生活老人始めました

      2023年5月11日午後 不安だった。恐れていた。頭痛が酷くなった。帰りたいと強く願った。受け入れて貰えないだろうと思った。哀しかった。辛かった。惨めだった。 激しい頭痛に襲われながら、俺の足は地元に戻るバス停を目指した。俺の心は迷っていた。バスが来た。俺の足はそのバスに乗る事を選んだ。 車内で俺の心は落ち着いていた。自分でも驚くほどだ。 車内が映画のワンシーンのように霞掛かっていた。良く考えると俺は白内障の初期だった。 地元が近づくにつれ、俺は自分の手が震えているの

      • 路上生活老人始めました

        2023年5月11日 少しウトウトしただけであまり眠れない。重ね着をして、その上に着る物を掛けていたのだがそれでも寒い。5月にしてこうだ。冬の路上生活は想像を絶する寒さだろう。 俺はギャンブラーだ。オンラインカジノをしながら路上生活をしている。起き出してスマホを持つとその手が震え出した。寒さのせいだけではない。 ルーレットをしていた。15,000円の元手が17,000円になっていた。それが寝ているうちに230円になっていた。我が目を疑った。俺は黒に15マーチンで掛け続けていた

        • 路上生活老人始めました

          2023年5月10日。 今日も一日が終わろうとしている。俺は今朝、妻と諍いを起こし僅かな所持金とバッグ2つだけ抱え、車で家を後にした。車は途中で乗り捨てた。ガソリンがなかったからだ。 行くあても無くバスに乗った。とある地方都市で降りた。 朝飯昼飯は抜いた。金がないからだ。コンビニの便所で用を足し水を飲んだ。美味かった。晩飯はカップラーメンだ。美味かった。 夜になると次第に寒さが増した。重ね着をし少し歩きコンビニで暫しの暖を取った。 ベンチで横になっているとジジイが言った。そこ

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