実るほど頭を垂れる稲穂かな
肥沃な大地と豊かな水に恵まれた北野町。米・麦・大豆・野菜・果物など種類豊富な農作物の生産が盛んなだけでなく、10月の開花期には陣屋川の堤防約3.5㎞に渡りコスモスが咲き誇る「コスモス街道」が、未来に残したい日本の花風景「池坊花逍遥100選」に選ばれています。
この北野町にある光安農園では、年間を通して小松菜や水菜、ほうれん草を施設栽培し、季節により種子用の米・麦の生産もしています。
安心・安全で美味しい野菜を多くの人に食べて欲しいと、心を込めて農産物を生産している光安農園の光安さんにお話を伺いました。
土と肥料と愛情で
光安さん―「農業大学を卒業後、すぐに家業を継ぎました。ハウスを建てたことを切っ掛けに雇用をはじめ、現在では外国人技能実習生3名、パート従業員2名を雇用しています。
米や麦を作る時期は、また別に手伝いに来てくれる人がいます。
うちでの働きやすさは、『口うるさく言われない』『日程や時間に融通が利く』ですかね(笑)。パートさん達には働ける時間や日程で来てもらっています。自分自身があまりキチキチしているのも色々言われるのもイヤなので、やるべきことだけキチンとしてくれたらそれでいいかなと思っています。
報告・連絡・相談を徹底して、自分が全て指示を出すのではなく従業員それぞれの考えや意見を取り入れ作業を任せるようにしています。責任を持って作業をしてくれるので信頼していますし、とても助かっています。
先日大分の市場に商談に行ったのですが、担当者から『光安さんの水菜じゃないとダメだってお客様がいますよ』と言ってもらえたんですよ。消費者の生の声を聴く機会ってあまりないので、めちゃくちゃ嬉しかったです。頑張ってきてよかったなあって。農業は自然相手ですから、思うようにいかない事が多くあります。ここ数年は毎年のように豪雨災害でハウスが被害にあってきました。大変な思いをしながらも、作り続けてきてよかった。一緒に働くみんなが、きれいな野菜をお客様のもとにお届けしたいと、しっかり野菜と向き合ってくれたおかげですね。」
楽しく・働きやすくから得たもの
働きやすい環境を自分なりに取り入れた結果、新たな悩みも出てきました。
光安さん―「うるさく言われない事で、自分を律することが難しい方は怠け心が芽生えてしまうようです。一時の事ならと様子を見ますが、改善してもらえないようなら注意をします。反省どころか逆にこちらが非難されることもありました。良かれと思っての事だっただけにショックは大きかったですね。従業員に恵まれていたことに気づかせてもらい、勉強の機会をもらえた。次、新たな雇用についてどうしても不安はあるので、雇用契約書の中に決まり事を入れようと考えています。そうさせない予防策を取る事で、守れる雇用もあるんじゃないかと思うので。」
従業員を思っての“優しさ”が相手によっては“甘やかし”になってしまうと気付いたと光安さんは話します。
フィリピンからの実習生たちが種まき機を操作し、ハウス2棟に小松菜の種をまいていました。途中で機械が止まるトラブルにもめげることなく、協力し合い楽しそうに話しながらテキパキと作業をこなしていく3人。
来年は、以前働いていた実習生が『光安さんの農場でもう一度働きたい』と戻ってくるそうです。光安さんの働きやすい環境づくりが芽吹いています。
光安農園からのメッセージ
これから寒くなるにつれ、ほうれん草は甘みがのってきて美味しさが増します。美味しいだけでなく安心安全な北野町の野菜を食べてください!
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