青春の甘ずっぱさと苦さ〜高校時代の回想3〜

*マイノリティ表現を含みますので苦手な方はゴーバック!





  あの日の言葉がずっと頭から離れなかった。
《可愛い》って、本来小動物とか国民的アニメとか女の子に使うもんじゃないの?
  からかい半分(そういうノリ)で言ったのは頭で理解してるんだけど、心が別のベクトルで捉えてる。

  あの日からOくんの顔を見る度胸の鼓動がうるさい。耳の奥の奥の方でずっと鳴ってる。
気持ちを理解するのに時間はかからなかった。
  でも、こんなの変だし絶対悟られちゃいけない。ずーっと抱えていた違和感は取れたのに今度は胸が張り裂けるくらいに痛い。
《好き》ってこういう気持ちなんだ。

知らなきゃ良かった。絶対変だし、こんなの周りに知られたらまたはぶかれる。
外見も外見だし。。。。。。(中学時代の苦い思い出が脳裏を過ぎった)

それに、こんな自分に親切に接してくれたOくんにただただ申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


  それから、悟られない様に少しづつOくんと距離をとろうと思った。でも、Oくんはいつもと変わらず接してくる。
 意識すればするほど惹かれてく自分がいる。


迷惑だってわかってるのに目で追ってしまう。

  当時、ガラケーで色々ゲイ関連の知識やら同じような人が他にもいないか、それこそ『ノンケ  諦め方』をlivedoorで何百回検索したか。

そんな中、Oくんの紹介で別のクラスの(仮にNとしとこう)奴と仲良くなった。
  Nはだいぶ偉そうな感じで、内心あんまり仲良くなれそうなタイプじゃないな。とか思ってたんだけど、家が割と近いのとバイト先の一個下の後輩の女の子と知り合いだったと言うこともありいつの間にか打ち解けてた。


気づけば、喜ぶべきと言うかなんというかNと休み時間つるむことが増えたおかげでOくんと上手く距離をとる事が出来た。
  でも、やっぱり自然とOくんを目で追ってしまう自分がいて。
何とか悟られない様に、視線は合わさないようにしてた。


時は進み夏の甲子園の地区予選大会、Nは
「応援来いよ〜!ぽんの地元の球技場が会場だから、来れんべ?」
って、なんの突拍子もなく。

その日は部活もバイトも休みだったから、断わる理由もなく、
「おっ、行く行く〜!」
なんて、あまり深く考えず二つ返事。

 
が、予期せぬ事にNはレギュラーじゃないのは聞いてたけどOくんもレギュラーではなく・・・・・・。
  Nと一緒に自分の高校を応援してたんだけど、試合終わった後にOくんがこっちに気づいて近づいてきた。
「ぽん太、来てくれてありがと!試合出られなかったし、負けちゃったけど。声援は届いてたと思う!」
って、不意に頭を撫でられた。

びっくりしすぎて、と、いうか思考停止してしまって隠すので俯いた気がする。
自「来年は頑張ってね」
って、言い残して心臓バクバクしながら帰った。

そこからしばらくして、夏休みに入り部活とバイトの日々でOくんとは逢わずに済んだ。
 何も無い日はというと、NやJ(親友)ともっぱら遊んでた気がする。

Nと遊んでた時、なんかの拍子で好きな子の会話になった。
自「N、好きな人いんの?」
N「あー、4組の〇〇ちゃん。めっちゃ可愛いんだぜ、あの子の電話。絶対俺の事好きだわ。だって電話する時もちもちって言うんだ。萌え〜」
自「幸せそうでなにより(苦笑)」
N「ぽんは好きな子いねーの?」
自「えっと・・・・・・」
N「その反応はいるな(悪い顔)。もしかしてO???」
自「はっ???な、んで???」
N「いや、まさかとは思ったんだけど当たりだべ!」
自「???いや、多分・・・・・・好きなんだと思う・・・・・・ごめんね(笑)キモイっしょ?」
N「まあ、あいつかっこいいからな。わからなくもないわ。ぽんがあいつ見る時乙女の目ぇしてんだわ。リアルハードゲイふぅーーー!!!」(⟵当時、HGが人気絶頂の頃で割と皆やってた)
N「まぁ、それでぽんが友達じゃなくなることはないんで、安心してください!!(笑)」
自「ごめん、本当こんなんで(泣笑)」

 
Nのいい意味でアホなとこに凄く救われた。 
そんなこんなで怒涛の夏休みも終わり、二学期が始まって・・・・・・


  



続く

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