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瀬戸市唯一の乾物屋さんで「だしワールド」に浸る

「乾物(かんぶつ)」と聞いて、あなたはどんなものが思い浮かびますか? 鰹節、昆布、煮干しなどの海産系から、豆、ゴマ、干し椎茸、ナッツ類などなど。食品を乾燥させることで保存性や風味を高めた乾物の料理や、乾物で丁寧にだしを取った一皿が食卓に並ぶと、その滋味深い美味しさに、「日本人で良かった~」としみじみします。そんな乾物の専門店、「尾張屋」を訪ねました。店主の森宏子さんは、昭和2年創業の尾張屋の三代目で「だしソムリエ1級」の、とっても明るく元気な店主さんです。
 

マスク越しでも笑顔満開の森宏子さん。後方左上には「だしソムリエ1級」の額が!


「乾物屋さんって昔は商店街にいくつかあったんだけど、瀬戸ではウチだけになっちゃったかな。産地や原料を説明しながらお売りできるのが特徴です」削り節の売り場では、その種類の多さに驚きます。「魚の種類だけで7種、削り方にも薄・中薄など種類があるからね。削り節でだしを取ると、料理がワンランクアップするのよ」豆類も人気です。小豆で餡を作るというお客様に凄いですね、と言ったら「簡単だがね。おいしいよ!」とお客様からオススメされました。
 
「お店をやっていて良かったと思うのは、やっぱり『おいしかった!』と言ってもらうこと。『知らなかった!教えてくれてありがとう!』という言葉もうれしい。以前は毎月24日を『ふしの日』にしてイベントをやり、鰹節の削り体験やだしの飲み比べなんかもやってました。せともの祭りでは、焼きおにぎりに削り立ての鰹節を乗っけてお出しして。削り立てって本当に美味しいのよ!」なるほど、とっても美味しそう! 逆に困っていることも聞いてみました。
 
「若い人にどうやってアピールしたらいいか、かなあ。商店街に若い人が頑張っているお店が増えてきてるの。若いお客さんにも乾物やだしの良さを伝えていきたい。乾物は使う人が減り、価格でも量販店とは対抗が難しいけど、乾物屋としてまだまだやれることはあるかなと」100年近く続く老舗でありながら、若手を気にかけ親身になる。インスタにもチャレンジする。宏子さんは商店街にとって、いなくてはならないお姉さんのように感じました。

圧巻の品揃え!削り節コーナー


思わず私も帰り際に、宏子姉さんに聞いてみました。今日はおでんなんですが、だしはどうしたら良いでしょう?「おでんなら宗田鰹の削り節がピッタリよ。煮立ったら火を止めて、削り節が沈んでから使ってね。使った後の削り節は佃煮や炒飯の味付けにも良いし、乾かしてチーズトーストのトッピングにも良いわよ。鰹節とチーズは合うからね」なるほど、さすがだしソムリエ! その日のおでんは特に美味しく感じ、その美味しさをまた宏子さんに伝えに行きたくなりました。(しょうじ@STEP)

●尾張屋(おわりや) 
瀬戸市朝日町29 せと銀座通り商店街
電話:0561-82-2406

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