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反抗期の無かった思春期-エホバの証人の研究生時代

JWの家庭で育った方の中には、普通の思春期があった人はいるのでしょうか?

私にはまともな反抗期は無かったと思います。

JWでは、「清く正しく生きる」事が絶対の空気があります。

多くの時間を集会や奉仕にあてる事を、周囲のJWから望まれ、また、将来的な目標もすでにこの時には周りから作られている環境です。

(自分から望んでいると勘違いしますが・・・)

もしも思春期らしい反抗の仕方を取れば、もしかしたら親が長老に相談するかもしれません。「親に口答えをする」「声を荒げて答える」「暴力的な態度」は、長老からの助言を与えられる対象となる可能性もあるでしょう。

その際に言われる言葉は、「親を敬いましょう」でしょう。長老達はどこか思春期の時期とその心の動きには無頓着でただJWの教えに沿って、話をするだけの様に感じます。

家庭内で起きていることは、本人にしか分からないので、私の想像から語っていますが、何となくこんな感じでJWの子達は自然な心身の発達をさまたげられている印象があります。

こんなことを想像しましたが、周りのJWから詳しく「どんな思春期を送ったのか?」と聞いたことはありません。

感情を抑えなければならなかった思春期

私の親は毒親です。

母の考えに沿わない行動をしたり、親にとって気にいらない発言があれば、怒鳴るタイプでした。

子供の頃こそ、そんな支配的な母におびえてしまっていましたが、今になって考えれば、聖書について学んだくせに、結局のところ、何も身についていないでは無いかと思う様な行動を取っていました。

父は怒鳴ったり、暴力を振るったりはしないいですが、基本的に、母をいさめたりすることの無い人です。

こんな感じの家庭でしたので、自分の考えを出す事が難しく、思春期になり、本来なら反抗期を迎えてもいいはずの時期に大人しく本を読んでいるしか無かったです。

そのため、心のうちに自分の感じている事、考えている事、自分の望みを押し込めて学生生活を過ごしていたと思います。

とはいえ、単純に大人しく、目立たない子と言うわけでは無かったようで、他人から見れば、どこか「変わった子」の様に見られていた様な気もします。

私に反抗期らしき、反抗期が無かったように思えるのは、母親の支配的な態度に恐怖していたためなのか、JWとの研究によるものなのか、どちらかと言う話になると、おそらく、両方が影響を与えた様に思います。

本来通るはずの道を通ろうと思いながらも、そうできない行動が「変わった感じ」を出したのでしょう。

JWの教えを実践するしかない思春期

私の思春期の始まりは今にして思えば、母親とのこともあり、なかなか辛かったです。

そんな私にとっての慰めが、JWの出版物でした。ちょうど、思春期はゴールデンエイジと呼ばれる時期でもあるので、色んなものを吸収することのできる時期です。

私の家にはあまり本は無く、本を借りる事ができなければ、JWの出版物を読むことで多くの知識を得、見たことの無い世界を知るきっかけが得られていました。

このJWの出版物を読むことのいい面もあれば、悪い面もありました。

私は母親から、私の考えや思いを散々否定されてきました。そのため、母親にヒステリックに反応されない態度を身に付け、JWの勧めるような話し方をするしかありませんでした。

それが、JWの中にある「若い人は尋ねる」に書かれている事を実践する事でした。

これが役に立っていたのか、ただ単に私が大人しくなってしまっていたからなのかは知りませんが、母親からの言葉による虐待は思春期の一時期以降は減っていきました。

私が母親とあまり会話をしなくなった、または、心が苦しくなるからできなくなったと言うのもありますが。

このような感じである意味、ばっちりJWによって洗脳される道に入ってしまい、後にバプテスマを受けるまでになりました。もちろん、開拓奉仕者になると言う目標を持って。

JWとの学びで反抗期はあるの?

JWでは、大前提として「親は尊敬すべきもの。親に逆らってはならない。親の言う事に絶対服従」と教えます。

このような態度は毒親の特徴を持つ親にとっては、とてもとてもありがたい教えです。

だって、「聖書でこう言ってる。JWはこう言ってる」と聖書やJWを盾にして、自分の思い通りに子供を操ることができます。

しかも、反抗的な態度を示せば、おそらく「反逆の子だ。サタンの影響を受けた。悪い交わりがどうのこうの」と言い出しかねません。

この様な教え方を幼い頃からされているJW家庭の子は、はたして親に対して反抗的、または本音で親にぶつかる態度を取れるでしょうか?

「聖書が、JWが、エホバが、サタンが・・・」などと言っているならば、親が子供の心に本気ではぶつかり、受け止めているようには思えません。ただ、親がぶつかることから逃げているだけ、または、自分の支配欲求を満たす言動をしているだけの様に思えます。

結果的に、子供は反抗期に大量に生産されるエネルギーの行き場を失っている様に見えます。

しかもJWの家庭の子の場合は、なまじ「良い教育」を受けている面もあってか、鬱屈としたエネルギーを自分の中に溜め込み、我慢に我慢を重ねて、いつしか若いうちに病気になったり、精神的に疲れ切ってしまうのでしょう。

家庭内の異常な環境による影響が、病気と言う形で現れなくとも、人間関係のトラブルに見舞われがちだったり、金銭的に問題がある場合もあるかもしれませんね。

親のせい?JWのせい?

JWの中で育ち、一般家庭とは違った教育を受け、挙句にはどこかがおかしかったとなると、どちらかのせい、または、両方のせいにしたくなるものです。

親が謎の新興宗教を受け入れなければよかったかもしれません。

新興宗教が精神的に弱っている人をターゲットにしなければいいのかもしれません。

自分自身が早くに親や信仰宗教のおかしさに疑問を挟めればいいのですが、さすがに、幼少期から思春期の間では、まだ親からの色んな保護が必要な時期にすべてに気付き、気づいた事を受け入れ、突っぱねるのは中々難しいものがあります。

ただ大人になったのなら、一度、自分がいる道が自分にとって本当に「ふさわしい」ものなのか考える機会があるといいです。

もっとも、JWは「疑いを抱いてはなりません」とかなんとか言う言葉を定期的に刷り込んできて、自分を振り返る機会を与えませんが・・・

私自身は、自分の生育環境について否応なく振り返らざるを得なくなった結果、JWに対する不信感と共に、両親に対する嫌悪感が増しました。

そして、今はJWを離れ、両親とはほとんど連絡を取りません。

今の状況が不幸だとは思いませんが、理想を言うなら、仲の良い家族像の中の一部であれたのなら、更に良かったでしょう。



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