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おすすめ本紹介シリーズ

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約週1回ほどのペースで投稿しているおすすめ本紹介をまとめたものです。どれも他の人に読んでほしいお気に入りの作品なので、少しでも興味を持ってくれれば幸いです。
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2024年4月の記事一覧

日常も謎だらけ ~水鏡月 聖『僕らは『読み』を間違える』を読んで~

 日本だけでも世に出る本の数は途方もない。狭い界隈であるライトノベルですら1日に1冊のペースで読むとしてもほんの1部しか読めないのだ。当然、面白い作品の存在を知らぬまま次の新作に埋もれてしまうことも珍しくない。  恥ずかしい話になるが、私が『僕らは『読み』を間違える』を知るきっかけになったのは先の『このライトノベルがすごい!』においてだった。しかも投票時期ですらなく、結果発表がなされた書籍の中で、だ。  あらすじを見たとき「どうしてここまで私好みの作品を知らずにいたんだ⁈

ここは新たな怪談が生まれる場所 ~甲田 学人『ほうかごがかり』を読んで~

 突然だが皆さんが通っていた小学校には七不思議というものがあっただろうか。実は私は父と通っていた学校が同じだったので面白半分で聞いたことがあった。その時教わったのが「ウサギ小屋の左隣(右だったかもしれない)を掘るとお宝がある」だった。実際に見つけたとか言ってたけどこれ絶対嘘でしょ。そもそも怪談ですらないし。今振り返るとふざけているようにしか思えないのだがここは怖いものが苦手な私に配慮したということにしておこう。  どうしてそんな話を思い出したのかというと七不思議がモチーフと

疾風怒濤に駆け抜けろ! ~馳月 基矢『龍馬 THE SECOND』を読んで~

 反省します。本屋でこのタイトルを見た瞬間、「転生か⁈ 二週目か⁈」と気になって私にしては珍しく裏表紙のあらすじを確認しました。全然違いましたよ。何が起きてるんだと気を引いて仕方なかったですよ。こういった誰もが思いつきそうでそうで無さそうな塩梅のアイデアが突如として出てくるものだからライトノベルはやめられない。  という訳で今回紹介するのは『龍馬 THE SECOND』となります。半年ぐらい前の私にこういうタイトルのラノベが出るよって言っても絶対に信じないだろうなと確信して

懐かしくも新しい記憶 ~古宮 九時『Unnamed Memory』を読んで~

 もしかすると普段から私のnoteの記事やX(旧Twitter)をご覧になられてる数少ない方の中には薄々お気づきかもしれない。「こいつ、『Unnamed memory(以下アンメモ)』にドはまりしてやがるな!」と。滅相もございません。既に関連記事2つ出して1話の時点でアニメの毎週録画を設定し原作小説を既刊最新刊まで買いそろえてるだけの新参者でございます。というか『アンメモ』だけでズブズブな上に同作者様の著書2シリーズも積んでる辺り見事なまでに私の性癖を的確に刺激されてるような

キラキラステップと新生活 ~織島 かのこ『嘘つきリップは恋で崩れる』を読んで~

 新年度、或いは新生活が始まってはや1週間。そろそろ諸々の変化の対応にも落ち着きが見られ始めた頃だろうか? ラノベ的には卒業と進級も一大イベントとなるだろう。それは現実も同じこと。私も新しい図書室の蔵書とかずっと気になって仕方がなかった。中学は割とあった方だったかな? 高大は……うん。この頃にはもう欲しい本は自分で買ってたな。  話が逸れてしまった。小学校から中学高校、最近では大学までがオーソドックスな教育課程とされるだろう。その中でも最も変化が大きいのは高校から大学なので