見出し画像

私だけが楽しいこと

私は兄弟姉妹がいないひとりっ子です。

子どもの頃
兄弟姉妹がいる人を
とても羨ましいと思っていました。

朝起きた瞬間から
寝る間際まで遊ぶ人がいるなんて
最高ではないか!と。

私の両親は農機具の卸業を営んでおり、
2人で会社を切り盛りしていました。

朝はたまに一緒にご飯を食べますが、
だいたい早朝から
遠くの県に機械を運搬しに行ったり
果樹園(山)のモノレール工事をしに
出かけたりしていました。
そんな日は祖母が作ってくれる
大きなおにぎりが朝ごはんでした。
(今の私が毎日おにぎりを握るルーツ?)

両親はいつも忙しく働いており、
家には私と祖母の2人きり
という日がほとんどでした。

事情があって
小学校は学区外のところに通ったので
一緒に帰る友達とは早々に別れ、
1人で帰る道のりはとても長いものでした。だから私は1人で遊ぶことを
たくさん考えて実行しました。

*電信柱と電信柱の間をなるべく少ない歩数で歩く
*たてぶえで歌謡曲をテキトーにふく
*息継ぎしないで長く歌う
*寿限無を家まで言い続ける
*隠し持っていた漫画を歩きながら読む
*知らない人を尾行する(帰る方向に)

また家の中でも1人なので
*洗面器に顔付け何秒チャレンジ
*折り紙をどんだけ長く切るか
(リンゴの皮むくみたいにグルグル)
*ヤクルトの空き容器積み
*画用紙の隅から隅までクレヨンで塗りつぶす
*回ってる扇風機の羽根の中心に指を当てて回転を止める(昔の扇風機はアミの真ん中が開いていた)
などなど
とても『遊び』とはいえないことを
真剣にやっていました。
(トランプの七並べやババ抜きを1人何役もやるっていうのもあります)

そうでもしていないと暇すぎました。

そして今でも
タイムアタック的に編み物したり、
本棚整理のとき何冊積めるかとか、
ついついやってしまっています。


先日は仕事中に
用紙をパウチして指定の大きさに切る
という作業がありました。

私はパウチの機械がある印刷室に
プラゴミ箱を持ち込み、
まずパウチする用紙を機械に差し込み
その1枚のパウチが完了する間に
先ほど完了したパウチ済みを切る!
そしてすかさず次のパウチを差し込む!
という課題を(勝手に)作り、
せっせ、せっせと取り組みました。

視界の端でパウチされる様子を伺いつつ
手元のハサミにも注意を払います。
角がキレイに取れるよう
手に取る人が怪我などしないように。

ときどきハサミに手間取って
パウチの差し込みタイミングが遅くなると
なんだか負けた気になる😔
逆に
手際よく上手に切れた時
まだパウチが半分もできてないのを見ると
あら、まだそんなところ?
と謎のマウント(心の中で)。

そんなこんなで
みるみる作業が捗り
相棒から
「めちゃくちゃ速いですね!」
とお褒めの言葉をいただきました。

だいたいどれも黙ってやっていますが
心の中で応援したり文句言ったりしています。

誰も知らない
私だけが楽しいことしてる
私だけが楽しい時間なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?