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県立がんセンター登録

ドキドキしながら県立がんセンターに入る。
普段この建物は見かけることはあったけど、まさか自分がここに用事が出来るとは思ってもいなかった。
おそらく癌患者の誰もがそんな感覚なんだろうなって思う。
「まさか自分が」な~んて事は本当にあるんだな。

エントランスを入るとそこそこたくさんの人がいる。想像以上の多さ。遠方から来ている人もいるんだろう。大きなコロコロを引いている人もいる。
良く見るとほとんどの人が付き添いの人がいるようだ。僕は前の病院の時からずっと1人で、先生からも「1人ですか?次は奥さんと来てください。」と言われた。
もちろん今日も1人できた。きっと話の中身が中身だけに、付き添いのもう1人に聞いて欲しいのと、即座に相談して道筋を決めたいのかなとも思った。僕は自分で決めるので、病院から呼ばれるまで1人で来るつもり。

「初診」と書かれたカウンターに紹介状とデータなど提出し、説明を受け必要な書類を書く。
何だかややこしくて良く分からない書類だけど適当に埋めて提出。
何かね、国のガン患者データ収集のため、今日の登録から死ぬまでのデータをとらせてもらいますという紙にサインをした。
お役に立つのなら良いですよとサインした。
カウンターのおばちゃん職員さんが優しい目と声で対応してくれるのは、なんとなく逆に切ない。
ちなみに僕の背中側には何十人という人が会計待ちなのか、こっちを向いて座っている。
さまざまな説明を受け必要な書類やパンフレットを受け取り、少し待つように言われて振り向くと、たくさんの視線を感じる(ような気がする)。ほとんどが僕の親世代の人たちに見えた。

呼び出され次回検査の予約を知らされる。
来院からの流れの説明を受ける。
とりあえず造影CTだそうだ。

この中では僕は若手になるね、なんて思いながら帰路に着いた。
なんとなく自分が癌なんだと実感がわいてきた。ここまですごいスピードで進んでいく。

続きはまた後日。

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