見出し画像

演説中、知事の背後にある席では、市民外交センター代表の上村英明氏が、後見人のように知事を見つめていた。知事が上村氏にリモートコントロールされているようにさえも見えた。

知事が上村氏にリモートコントロールされているようにさえも見えた。
2015年11月07日
以下は前章の続きである。
「自己決定権」で一線を越えた知事
石垣島からジュネーブまで、飛行機を乗り継いで約13時間。
ようやく到着した国連ビル前では、のどかに路面電車が行き交っていた。
沖縄とは全く違った景色だ。
「辺野古移設反対を訴えるためだけに、知事はこんな所までやって来るのか」とつぶやかずにはいられなかった。 
知事演説は日本のNGO「市民外交センター」の発言枠を譲り受けて実現した。
人権理事会で発言席に座った知事は、英語の原稿に目を通しながら厳しい表情で口を開いた。
「沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を、世界中から関心を持って見てください」 
「沖縄県内の米軍基地は、第二次世界大戦後、米軍に強制接収されて出来た基地です。沖縄が自ら望んで土地を提供したものではありません」 
「沖縄は日本国土の0.6%の面積しかありませんが、在日米軍専用施設の73・8%が存在しています。戦後70年間、いまだ米軍基地から発生する事件・事故や環境問題が県民生活に大きな影響を与え続けています。このように沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされています」 
「自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国が、どうして世界の国々とその価値観を共有できるのでしょうか」 
「日本政府は、昨年、沖縄で行われた全ての選挙で示された民意を一顧だにせず、美しい海を埋め立てて辺野古新基地建設作業を強行しようとしています。私は、あらゆる手段を使って新基地建設を止める覚悟です」 
時間は約2分。
演説中、知事の背後にある席では、市民外交センター代表の上村英明氏が、後見人のように知事を見つめていた。
知事が上村氏にリモートコントロールされているようにさえも見えた。
この稿続く。

2023/12/13 in Kyoto

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?