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そして国家を有効に防衛するための手段、それは核武装以外にないー。ちなみにこの結論は、ノーベル賞作家のクロード・シモンがかつてフランスの核武装について説明したときのものです。

2018年02月28日
以下は月刊誌HANADA今月号に掲載されている蒟蒻問答第142回からである。
堤堯氏が私が永遠に愛する母校の先輩である事は既述のとおり。
前文略。
編集部 前文略。
首相は、五輪を利用した北朝鮮の微笑外交に「目を奪われてはならない。五輪後が正念場だ」と強調し、「対話のための対話は意味がない」とも述べた。融和路線に傾斜する文氏にクギを刺した形だ》
久保 
安倍が念押ししたかったのは、《朝鮮半島有事に備え、韓国内の在留邦人の退避や安全確保》でしょう。
いざという時に人質になってしまうから。
それだって金正恩の人質になるか、日本人への憎悪という潜在意識に凝り固まった文在寅の人質になるか、わかったものじゃない。 
対して、文が言っていることは建前でしかない。
これまでも言ってきたことで、その裏で何をやってきたのかが問題なんだよ。
堤 
徴用工に言及したのは良かったね。
文在寅は徴用工問題について、「日韓基本条約と韓日会談で解決したと韓国政府も認める」一方で、「国家間の問題ではなく、被害者と企業間に残っている個人的請求権まで解決したのではないという趣旨の(最高裁の)*筆者注韓国の*判決について話した」 つまり、個人の請求権は残っているという見解を示した。 
しかし、1965年に結ばれた日韓基本条約では、「今後、両国は互いに一切の請求権は持たないものとする」、つまり一切の貸し借りはないものとするという条文が定められた。
いわゆる「個人補償」も含めてだ。 
ちなみに戦後日本だって、連合国軍進駐にあたって政府は「たとえ1億かかっても、それで多くの女性の貞操が守られるなら安いものだ」(池田勇人発言/鏑木清一著『秘録進駐軍慰安作戦』)と、「進駐軍特殊慰安施設指令」を発し、慰安婦を全国からかき集めました。
衣食住の保証と国家的大事業という巧妙な語り囗につられて長蛇の列を作った娘たちのなかには、「売春と知らず、(あるいは)泣きながら餓死するよりもましかと、自ら言い聞かせてトラックで運ばれる娘もいた」(山田盟子著『ニッポン国策慰安婦』)。 
だが、戦後70年、「こんな女に誰がした」(「星の流れに」唄・菊池章子)と流行歌にこそ唄われたけど、これら日本の女性のなかから”国家の犯罪”告発の声があがってこなかったのはなぜなのか。
それどころか、慰安婦施設発足の日、彼女らは皇居前広場に集まって「天皇陛下バンザイ」と三唱したのです。
どうです、涙が出るくらい健気な逸話でしょうが……。 
理由の一つは、戦後経済の高度成長のおかげで、フロムの言うように経済的、文化的、情緒的側面で完全に独立して生きることができたということですが、しかし何よりも日本は「恥の文化」。
一方の韓国は「恨と怨」。
この文化的違いは大きいんじゃないですかね。
堤 
彼女らを支えているのが挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)という市民団体だけど、早くから北朝鮮との関係が取り沙汰されている。
この挺対協の言うがままに動いているのが文在寅だ。
一旦、取り払われた釜山の日本領事館前の慰安婦像を元に戻させたのは野党時代の文だ。 
文在寅の父親は脱北者で、彼のルーツは北朝鮮だ。
彼は親北といわれているけど、盧武鉉の秘書室長以来の政治活動を見ていると、むしろ北の工作員といったほうがいいような感じさえする。
*この堤氏の評こそが文在寅が何者かを言い当てていると私は思う*
久保 
いずれにせよ、文在寅だけでなく、韓国の歴代大統領は政治的に無能どころか、彼女たちを外交上の駆け引き材料に利用し、彼女たちを更生させるうえで当然負うべき韓国政府の責任までも日本に転嫁しようとしているのだから、恥知らずという他ない。

3月18日以降に動く
堤 
ところで、安倍は首脳会談で「対北朝鮮は五輪後が正念場だ」と言ったそうだけど、この見立て、まったくそのとおりだね。 
アメリカは平昌オリンピックが終わるまで一切の軍事行動をしないといい、終わったところで米韓合同軍事演習をやると言っている。
パラリンピックが終わるのは3月18日で、この日はロシアの大統領選が行われる日でもある。
プーチンの再選は堅いとされているけど、再選されれば、プーチンは北朝鮮問題でかなり重要なプレーヤーになると思うね。 
北朝鮮はロシアに対して、110億ドル(1兆2000億円)の借金があった。
ところが2014年、プーチンはその借金の90%を棒引きにし、残りの10%も、共同プロジェクトとして朝鮮半島を縦断するガスパイプライン建設や鉄道事業に充てることにした。 
借金をほとんど全額棒引きにするとは大変なことだよ。
プーチンが北朝鮮の存在を重く見ている証左だ。
それを感じ取って、金正恩もプーチンを頼りにしている。
このところ北朝鮮は中国について、「図体ばかり大きくて何の価値もない国だ」と毒づき、北米局長の崔善姫を何度もモスクワに送り込み、「核保有を認めることを前提に交渉のテーブルにつきたい」と、ロシアにアメリカとの仲介を依頼している。 
プーチンは今年1月11日に行われたロシアメディア幹部との会合で、こう言った。 
「金正恩は(核ミサイルを巡る)勝負に勝った。いまや核弾頭と世界のどこにでも届く射程1万3000キロのミサイルを保有して、自らの戦略的課題を達成した。彼は能力のある成熟した政治家だ」 
金正恩を高く評価し、北の核保有も認めざるを得ないといった構えだ。
昨年10月19日にソチで行われた会合で、プーチンは「北朝鮮の体制を好むか好まないかは別にして、主権国家であることを忘れてはならない」と言っている。
プーチンは2008年にこう言った。
「核を保有しない国は主権国家の名に値しない」とね。
それを思えば、核を保有した北朝鮮は立派な主権国家だ、となるのも当然だ。
久保 
そんな流れで仮に南北が統一されたら、核を持った朝鮮国家ができる。
おそらく、それが文在寅はじめ、日本憎しで凝り固まった大方の韓国人の深層心理にある願望じゃないかな。
日本にとっては脅威ですよ。
堤 
NPT(核不拡散条約)の核心は、核(保有)クラブが「俺らは持つけどお前らは持つな」という主旨だが、仮に北朝鮮のように新たに核を持つ国が現れたとしても、核クラブにとっては相互確証破壊が保障されているから、さしたる問題ではない。
困るのは、日本のように核を持っていない国なんだよ。
久保 
プーチンは北朝鮮問題について、「この問題は対話によって解決せねばならない。武力行使による威嚇や開けっぴろげで厚顔無恥な罵りで北朝鮮を追い詰めてはならない」と言っていたけど、実は武力行使による威嚇をやろうとしているのは、他ならぬ北朝鮮、そしてもしかしたら韓国になるかもしれない。 
そこから導き出される答えはただ一つ。
日本はアメリカ頼みでなく、真の独立自存を達成すること。
日米同盟はあくまで第二義的な問題です。
国家の防衛なくして国民の生命の安全など有り得ない。
戦後憲法が掲げる平和主義は貴重だが、その平和を守るために戦いが必要な場合が現実政治にはあるのです。
そして国家を有効に防衛するための手段、それは核武装以外にないー。
ちなみにこの結論は、ノーベル賞作家のクロード・シモンがかつてフランスの核武装について説明したときのものです。
この稿続く。

2024/2/28 in kyoto

 

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