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彼らはミサイル攻撃に加えて数百機、数千機の無人機を一挙に飛ばして日米台が打つ手もなく、収拾のつかない状況に陥る戦い方を準備している

彼らはミサイル攻撃に加えて数百機、数千機の無人機を一挙に飛ばして日米台が打つ手もなく、収拾のつかない状況に陥る戦い方を準備している
2023年02月02日
以下は本日発売された週刊新潮の掉尾を飾る櫻井よしこさんの連載コラムからである。
本論文も彼女が最澄が定義した国宝、至上の国宝である事を証明している。
それどころか、本論文は、石つぶしに過ぎない野党政治屋達や与党内の媚中派議員達、朝日、NHKを始めとしたマスメディアの筆舌に尽くし難い愚劣な態様を浮き彫りにしている。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
米軍幹部の警告、2年後に米中戦争
「2025年、中国は台湾に侵攻し、米中は戦争に突入する」 
これは米航空機動軍司令官、マイケル・ミニハン空軍大将が隷下部隊の指揮官と空軍作戦部隊指揮官に宛てたメモの核心部分である。
1月27日に米国のNBCテレビがスクープした。
日本にとって他人事ではない。
わが国も米台両国と協力して中国と戦う局面に立つ。
それが2年後、現実になると警告しているのだ。 
「次の戦いへの準備に向けた2023年2月命令」と題されたメモは9項目にわたる簡潔、直截な指示から成る。
ミニハン空将は「私が間違っていることを願っている」との書き出しで、「私の直感では、2025年に戦うことになる」と断言した。 
理由として、
①習近平中国国家主席は3期目を確保し、その直後に戦争諮問会議を設置した。
②24年の台湾総統選挙が中国に侵攻理由を与える。
③米国大統領選挙も同じ24年で、選挙に気をとられる米国の隙を中国は突く。
「習近平のチーム、理由、機会のすべてが25年に向けて揃っている」との警告である。 
ミニハン氏は現職着任前、19年9月から21年8月までインド太平洋軍副司令官だった。 
航空機動軍の最大の役割は第一列島線を筆頭にどの地域においてもその通信能力、即応性、統合一体性などの能力をフルに活かして守りきることだ。
ミニハンメモも第一列島線を守りきる決意で貫かれている。
中国を抑止し、打倒するために第一列島線の内側を要塞化した上で、統合一体化した機動部隊が縦横無尽に即応し、勝利するには、現状で何が足りないのか。
戦術、技術、手順の全ての再検討をミニハン氏は命じている。
「もし貴官が現在の訓練に慣れているのであれば、それは十分なリスクを取っていないということだ」とまで書いている。 
武器使用資格を持つ隊員全員に向けて、日本では考えられない厳しい指示を出している。
「武器使用資格を持つ航空機動軍所属の全隊員は躊躇ない殺傷破壊力が最も重要であることを十分に理解した上で、7㍍先の標的に向かって弾丸を発射せよ。頭を狙え」と命じているのだ。

予測は米国政府内で予め共有 

このような指示を出した上でミニハン氏はこう書いている。 
「すべての航空機動軍要員は、法的な準備と心構えができていることを確認するために、各自の個人的な事柄や、基地の法務部署への訪問を予定すべきかどうかについて検討せよ」 
右の指示の意味を専門家に尋ねてみた。
それをもとにすると、明確に断言はできないのだが、こういうことだと思われる。 
全員に前述のような厳しい覚悟を求めた上で、自分はこの任務に耐えられないと考える軍人は、法務部に相談し、任務から外れる道があると言っていると、とれる。 
右の段落の最後で、全司令官はこの命令を受けて、「2023年2月28日課業終了までに、中国戦に向けた2022年の全成果と、2023年の主要な取組みの見通しを指揮系統を通じて(私に)報告せよ」とも指示している。
厳しい緊迫感が伝わってくる部分だった。 
中国との紛争で予想されるのが無人機の大群による攻撃だ。
彼らはミサイル攻撃に加えて数百機、数千機の無人機を一挙に飛ばして日米台が打つ手もなく、収拾のつかない状況に陥る戦い方を準備していると言われる。
それに対して、KC‐135部隊に無人機100機を航空機―機で空輸する手段を整えよと命じている。 
烈しい危機感に満ちたこのミニハンメモについて、国防総省は「国防総省の見解を代表するものではない」と発表した。
元陸上幕僚長の岩田清文氏の解説だ。 
「ミニハン司令官は『私の直感では』という前提を置いています。25年には米中戦争が起きると、ズバッと大予測した。その予測は米国政府内で予め共有されていたと思いますが、公に言うのは影響が強すぎる。ミニハン氏がそれは私の直感です、私見ですと言えば、米政府に迷惑がかからないということでしょう」 
数々の米国要人の発言から判断して、米国政府内で習近平氏が台湾侵攻に踏み切る時期は「早い」との見方が強まっているのは間違いないだろう。
昨年10月、米海軍作戦部長のマイケル・ギルディ氏はシンクタンク「アトランティック・カウンシル」での講演で中国の台湾侵攻は23年にも起きる可能性があると語った。
また同月、ブリンケン国務長官は「中国は以前に較べてかなり早い時間軸で(合湾)再統一を目指すと決意したと思われる」と語っている。 
ここでひとつ、疑問がある。
日米両国政府は1月12日に外務・防衛両大臣による「2+2」(日米安全保障協議委員会)の会合を開き、13日には首脳会談を行った。
一連の会談で、日本の防衛努力は歴史的な変化をもたらすと評価された。
年来の日米両軍の盾と矛の役割分担を超えて、日本は米国に守られるだけの国ではなくなったとも評価された。

ガイドライン見直しはしない
ならば、わが国の日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の見直しが必要だが、日米両政府はそのことに全く言及しない。
ガイドラインとは、国防に関する日本政府の基本的考え方で、防衛政策の根本をなすものだ。
日本の国防力強化によって年来の日米関係が変わるのであれば、ガイドライン見直しは必須である。
この点について、米政府中枢に近い人物が語った。 
「今は一刻も早く軍事的能力を強化しなければならない局面です。他方、ガイドラインの見直しには膨大な時間とエネルギーが必要です。中国の速い動きを眼前に見るいま、日米共にガイドラインの見直し作業に割く労力も時間もないと思います」 
岩田氏が振りかえる。 
「日米の2+2会合で、林芳正外相は、記者から聞かれもしないのにガイドライン見直しは考えていないと言いました。また1月16日、松野博一官房長官は、日本の反撃能力取得という理由のみで直ちにガイドラインを見直す必要があるとは思えないと語りました。今は正に緊迫のときで、すべての能力を自衛隊の強化、抑止力強化に振り向けたい。そうしなければ、近づきつつある中国の侵略に間に合わないということでしょう」 
日米両国は中国の侵略は早期に始まる、それへの備えが最優先だという理解で一致しているのだ。 
ミニハンメモを特徴づける緊張感を、大袈裟だ、極端だとして退けてはならない局面であろう。
過日、米戦略国際問題研究所(CSIS)が2年かけて行った米中戦争の机上演習ではどのケースでも米軍が勝利した。
しかし同演習は中国の核の使用を視野に入れていない。
中国が核を使わないという保証はないのであり米中戦争が起きれば、日本の悲劇は想像もできない。
だからこそ中国の侵略戦争を止めるあらゆる努力が必要なのだ。



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