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今もレコードを聴いています!

   レコードって知っていますか?音楽を聴く時に使っていた直径が30センチもするプラスチックの円盤です。(LPレコードと呼ばれていました。)これを聴くためにはレコードプレーヤーが必要で、かつては部屋の一角にまるで小さな箪笥のように、自慢げにどんと置いてある家庭が多くありました。(ステレオと呼ばれていました。)

 音が出るスピーカーには結構大きなものがあり、一般家庭でも幅30センチ、高さ50センチ、奥行き30センチもするものが置いてありました。そして、その横にはレコードを収納するレコードケースがありました。レコードを50枚、100枚と持っていれば、これらはちょっとした財産のようにさえ見えました。

 しかし、1980年代後半から1990年代初頭、つまり昭和から平成に移るころにはこのレコードはCDに置き換わり、さらにCDプレーヤーも小さくて随分と澄んだ良い音が出るものが出回りました。そして急速にレコードやレコードプレーヤーはまるで無用の長物になってしまいました。町にあった老舗のレコード店も、名前こそ「○○レコード店」ですが、レコードは無くなり、ほとんどCDなどに置き換わりました。

 当時、既にすでに200枚以上集めていたレコードを処分するのは、心理的にかなり抵抗がありました。そこで、CDもレコードも両方聴けるプレーヤーを買い、このプレーヤーが壊れるまでレコードで聞くことにしました。

 それから30年近く経ち、ついにプレーヤーは壊れてしまいました。もうこれでレコードは聴けないなと思いました。レコードをどうしようかなと思いながら電機店に行ってみると、なんとまだCDとレコード両方聴けるプレーヤーが置いてありました。それから3年近く経ちますが、CDと同様に今もレコードを聴いています。

 持っているCDの数の方がすでにレコードを超えましたが、レコードの入ったジャケットを手に取ってその図柄を見ていると、まるで一枚の絵を見るようで、そのレコードを買った頃の、いろんなことを思い出します。ところがCDとなると大変小さな図柄になり、絵として見るには物足りません。

 学生時代の頃は、アルバイトで貯めたお金で、一番安いレコードプレーヤーを買いました。そして、当時1枚2000円するレコードを、2ケ月に1枚づつ買い足していくのを楽しみにしていました。買って来たばかりの新しいレコードに、わくわくしながらそっと針を落とす瞬間は、なんともたまりませんでした。

 もう、なかなか新しいレコードを買う機会はありません。しかし、これからもレコードで音楽を聴き続けたいと思っています。

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