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随筆: 葬儀での僧侶の読経、なぜ日本語でしないのですか?


1 理解が出来ない僧侶の読経


昨年10月、そして今年2月と親戚の葬儀に出席した。その時、以前から疑問に思っていることを強く意識した。
 仏教では宗派によって、葬儀で読みあげる読経の経典は異なる。しかし、共通するのは読経は日本語ではなく、漢文訳の経典を漢字の音読みで読み上げる。(正確に言えば、多少仏教用語独自の音読みがいくつかあるらしい。)しかし、中国語の発音でもないので、おそらく中国人が聞いても何のことか分からないだろう。

2 経典には日本語訳がある


 インターネットで調べるといろんな仏教の経典は日本語訳がなされている。我が家は真言宗の檀家であり、小さい時からよく般若波羅蜜多心経(般若心経)を法要の度に、聞いてきた。数年前まで、そのお経は何の内容か全く知らなかった。しかし、その経典はどんな意味なのかと思って調べてみると、多くの解説本が出版されているし、インターネット上には分かり易い日本語訳も載せてある。

3 日本語で説明してください


 それではどうして、僧侶は日本語で経典の読経をしないのだろうか。私が予測するのに「経典の日本語の定訳がない」と言うのではなだろうか。そうであるならば、自分が一番気に入った日本語の訳を読み上げれば良いのではないか。仏教の研究者や僧侶以外は、ほとんどだれも理解できない漢文の経典を読み上げて、どんな意味があるのだろうか。ひょっとして、多くの僧侶は「一般の人には分からなくても良い」と思っているのでしょうか。

 もし、「そんなことなない」と多くの僧侶が思うのであれば、経典のさわりだけでもどうして、その内容を分かり易く一般の人に説明しないのだろうか。私はその経典を読経する意義を、僧侶は分かり易く説得力ある自らの言葉で、法要に参加している人に説明して欲しいと思う。

4 参考資料


 佐々木閑 (2013) 『100分de名著 般若真教』 NHK出版
 佐々木閑 (2017) 『集中講義 大乗仏教』 NHK出版
 
 「般若心経とは?意味や全文、わかりやすい和訳を解説」
  
https://www.e-sogi.com/guide/14635/

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