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町内会⑦:広報紙配布は外部委託に!

私が町内会に問題提起した、広報紙配布の負担軽減要望の件。
ついに、努力が実を結びつつあります。

私の問題提起は、以下の通り。

  • そもそも広報紙の配布を推進する主体は行政であって、本来は町内会がその責任を負う必要は無い

  • その内容はウェブでも公開されており、必ずしも紙媒体での配布を希望しない世帯も多いのが実情

  • 配布作業の負担が大きく、高齢化が進む中、町内会の業務としての持続可能性に疑問あり

町内会でも対応してくれて、区役所の広報担当との相談結果を踏まえ、役員会での検討結果がフィードバックされた。

  • 希望者に限定した配布は、配布先の増減を毎年確認する手間を要し、現実的とは言えない

  • 役所に確認したところ、町内会での配布が難しい場合はポスティング業者(シルバー人材活用センター)への外部委託への転換は可能。但し配布に要する人員確保の都合あり、転換の準備期間に6ヶ月~1年を要する

  • 町内会の各地域(ブロック)ごとに、町内会での自主配布とポスティング業者による配布とばらつくことは、公平性の観点より望ましくない

  • すなわち、ポスティング業者による配布への切り替えは、町内会全体での委託が前提

  • 市からの配布謝礼金:年間100万円の収入を失うため、慎重な判断が必要

行政の姿勢は「ポスティング業者への委託?いいけど切り替えに手間も時間もかかって、こっちも大変なんですよ?100万円要らないんですか?本当にいいんですか?」というものだし、町内会の役員さん自身も、そもそも新任ブロック長の分際での私の提案を快く思わないのか、「アンケート結果(=紙での配布継続希望者は全体の3割程度に過ぎない)なんて信用できない、後で配布希望に気が変わることもあるかもしれない、いちいち意思を確認する方が大変では?5年連続で同じ結果ならともかく。。」と言って、ネガティブな反応。

変えるのに5年って。。
思わず脱力感や無力感を覚えたが、一旦提言した以上、ここで腰砕けになるわけにいかない。
「役員だけでなく他に31人いるブロック長全員に事情説明し意見を集約してほしい。その決定には従う」と、腹を括って改めて役員さんに掛け合ったのである。

そして1月の定例理事会にて本件が議題に上がり、ブロック長面々に対し私の問題提起についての賛同を求めて説明、役員さんからは、広報紙って皆さん読みますよね、その配布は町内会活動の大きな一部ですよね、これまで皆で協力してやってきましたよね、100万円の収入減は大きいですよね、という、切り替えには消極的なトーンでの補足説明。

そして、質疑応答に移ると。。。

「あの配布作業は、確かに負担が大きい」
「ポスティング業者に委託できるなら有難い、是非そうしてほしい」
「情報収集の手段は今やもっぱらスマホ、紙では逆に読まれない時代」

このような声が、他のブロック長から次々に挙がったのです!

役員一同、圧倒的多数のブロック長からの賛同にたじろぎ、町内会での最終決定を年度末の定例総会に諮るとしながらも、その消極姿勢を改めることを余儀なくされることに。
役員さんが後日区役所改めて訪問、ポスティング業者による配布への切り替えを実現させるべく、踏み込んだ要請を行っていただいたのであります。

そして、4月末に開催された総会にて、本件を含む議案が可決。
本年度から、地域ごとに段階的に数ヶ月の移行期間を経る必要はあるものの、山や坂の多いこの地域であれほど苦労した広報紙配布作業から、ついに解放される。

私のブロック長の任期は4月末で終わり、結局自分自身の配布作業は、最後まで楽にならなかった。
それでも、まるで新聞配達員のアルバイトのような作業中に抱いたちょっとした違和感から、行政による町内会への下請け構造への強い疑問に繋がり、役員さんには煙たがられながらも問題提起を続け、孤独な闘いの最後には援軍を得られ、長年続いた町内会活動を変えられたことは、初めて参加した町内会活動での一つの成果であり、素直に良かったと思う。

区役所によれば、4,600人ほどもいる大所帯の町内会でのポスティング業者への配布委託は、前例が無いそうである。
謝礼金があるばかりに多くの町内会が声を上げられず、唯々諾々と下請けに甘んじている現状、長年続くが故に問題意識すら持たず思考停止に陥っている現状に一石を投じられた、なんて言い方は、ちょっとオーバーか。

「私もあの配布作業は正直しんどい思いだったけど、町内会には遠慮から言えなかった。代わりに言ってくれてありがとう」
こんな声を掛けてくれた、同じ町に住む人のためにもなったと思えば、それだけで嬉しいのであります。

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