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いじめられっ子の私より

昨日ニュースで「学校に行きたくてもいけない子ども達」の特集をやっていました。
今現在も不登校を続けている女子生徒と自ら命を絶ってしまった男子生徒の親御さんがインタビューに答えていました。
私も元登校拒否児童です。
上記2人も学校へ行けなくなった理由の中に「いじめ」がありました。
私も同じような体験をしたので他人事とは思えませんでした。

いじめられる方にも原因があるって言うけれど


私はどこに行っても見事にいじめられる人間なので「私が悪いんだ」と思い、何度もネット検索をしたことがあります。
・いじめ 受けやすい
・いじめられやすい
・いじめられっ子 何故
・必ずいじめられる
大体そんな検索ワードを入れた記憶があります。
でも出てきたのは
・いじめられる人の特徴〇選
・いじめられないための方法
・(いじめられている側が)ここを改善しよう!
などいじめられる側がどうにかすれば解決!みたいな記事ばかりでした。
私はいじめられることに対して「100相手が悪い」とは思っていません。
私の卑屈な性格、暗い雰囲気、何をされてもじっと耐えるなど相手の行為を助長させてしまう自分でも短所だと認識している部分に目を付けられているとの自覚があります。
だけどいじめられる方に原因があるのならいじめる方に原因があってもおかしくないのでは???とずっと疑問なんです。

ニュースの中の女子生徒の事例

ご本人はもちろん当時を知る学校の先生にインタビューするシーンが何度もありました。
女子生徒の事例ではご本人がいじめられていた訳ではありませんでした。
元々活発だった彼女はクラス内の酷いいじめを目撃し、先生に報告します。
先生は「本人が気にしていないのに何でお前が気にするんだ」と取り合ってくれません。
いじめに加担したくないという必死の抵抗でいじめられていた子に声をかければ他の友達に「〇〇と話さない方がいいよ」と言われ、仲が良かった友人にも不信感を抱くようになってしまいます。
いじめの内容はクラスの中心になっている女子が命令を下す形で1人ずつが被害者生徒に「何で学校来るの?」「何で生きてるの?」「死んだら?」「気持ち悪い」などの暴言を順番に吐いていき、面白がるいうものでした。
その光景を見たり、聞いたりするのが辛くなって女子生徒は学校に行けなくなりました。
その後も学校に改善を求めたものの「社会に出たらこんなことは普通」「そんなに繊細じゃまともな人間になれない」と言われたそうです。
彼女が優しすぎるのは事実かもしれません。
でもそれは悪いことばかりでしょうか?
いじめ被害に遭っていた生徒は彼女の勇気に救われたはずです。
先生の言う「まともな人間」とは何でしょう?
いじめを見て見ぬふりできる人間?
加害者側に加担する人間?
学校及び教師に絶望した女子生徒は今も学校へは通えていません。
そして改めてインタビューに答えた学校関係者は悪びれることなく「学校に来られるようになるのを望んでいる。様々な経験を経てまともな人間になって欲しい」と繰り返しました。
いじめ発覚・女子生徒が学校に通えなくなって数年、全く変わっていなかったのです。
女子生徒の「何かおおごおとにならないと動いてもらえない」という一言が胸に突き刺さりました。

ニュースの中の男子生徒の事例(本人は自殺・遺族の方が対応されていました)

この子も本当に心の優しい子だと伝わってきました。
まず兄がいじめの標的になり、その弟ということで上級生や同級生にいじられるようになったのがきっかけでした。
彼の母はシングルマザーで2人のお子さんを育てていて、男子生徒が学校に行きたくないという気持ちに寄り添って可能な限り一緒に行動されていたそうです。
「もう絶対に今の学校には行けない」という息子さんの意見を尊重し、親御さんが転校を申し出ますが学校側が却下。
その理由は「とりあえずうちの学校に戻ってきてもらってから」「慣れた学校(ほぼ行っていないのに不思議な言い分ですが)にも来られないのに他で上手くいくとは思えない」というものでした。
亡くなる前日彼は母親の肩たたきをし、変わった様子はなかったとのこと。
でもその時にはもう自殺を決めていたような気がします。
学校側は男子生徒が亡くなったことすら隠蔽し、遺族の求めに応じるという形で半年ほど経過してから公表したそうです。
彼はそれまでに色々な公的機関の相談窓口を利用していました。
何とか生きようともがいていたのです。
学校もしくは教育委員会や専門機関が何か1つでも彼の希望を通してくれていたら最悪の結果は避けられたかもしれません。
教師陣は全く学校に来なくなってしまった男子生徒を気に掛けていたクラスメイトにも自殺の件は伏せ、ずっとしらを切っていたとか……。
そしてニュースに取り上げられたからか学校関係者と教育委員会のお偉いさんが急いで情報開示・自宅への訪問に来ていました。
ただ情報開示の報告書はほぼほぼ黒塗りで内容が読めず、保護者からの質問には全て「調査中ですのでお答えできません」でした。
自動応答するロボットのようでした。
何のための訪問だったのでしょうか?
息子を、弟を失った家族をいたずらに傷付けただけとしか受け取れませんでした。

いじめは犯罪です

いじめという言葉を使うからマイルドに感じるのでしょうか?
でもいじめは紛れもない犯罪です。
いじめられた人の尊厳を大きく傷付けます。
人ひとりの人生を台無しにする可能性のある卑劣な行為です。
また自分自身の体験談になってしまって恐縮ですが
・文房具を切り刻まれる
・私物を隠される
・私物を持ち帰られる(当然返ってきません)
・トイレの個室を使用している際にホースで水をかけられる
・掃除の時間に「大きなゴミだ」とほうきでつつかれる(制服真っ白)
・「ばい菌」と机を離したり、ペアでの取り組みを拒否される
・人目につかないところで暴言を吐かれる
・痕にならない程度の力で小突かれる(授業中後ろからが多かった)
・スカートをめくられる、下ろされそうになる
・給食の人気メニューの時は配膳してもらえない(逆に不人気メニューを集められる)
・「頼めば(性行為を)やらせてもらえる」と噂を流される
まだまだあるのですが書き出したらキリがないのでこの辺で。
でも以上の行為が「いじめ」というふんわりしたもので片付けられていいのでしょうか?
そもそも「いじめ」って何ですか?
上に書いたものの中で暴行罪、窃盗罪、性暴力に該当する行為が幾つありますか?
学校の先生は「子ども同士のことですから」「犯人捜しは良くない」と言いました。
いい年した大人が子ども同士の悪ふざけの域を超えていると判断できませんでしたか?
犯人を捜すも何も被害者は加害者を知っています。
何故尋ねようともしないのですか?
学校の先生の仕事量が膨大で丁寧に対処していられない状況なのは知っています。
そこは教育現場だけの責任ではありません。
しかしもう何十年もその状態が続いているのに外注しようという発想が出てこず、未だに私が学生だった頃と同じ対応をしていることにただただ驚きました。

今いじめられている人へ

悔しいですよね。悲しいですよね。
でも命を絶ってしまうくらいなら逃げてください。
何故悪いことをしていない自分が逃げなきゃならないんだって思いますよね。
すごく分かります。
でも「自分の命と引き換えに…」という思いを持って自殺を選んでも残念ながら一時的に騒がれるだけでいじめられっ子は反省なんてしていません。
ものすごく酷いいじめをしていたとしても転校して偽名を使い、楽しい学園ライフを満喫している例もあります。
何なら大人になった時にいじめたことすら忘れて数合わせのために結婚式の招待状を送ってきたりします。
ちゃっかりお祝儀も要求されたり……。
とにかくそんな人のためにあなたの命を使う必要はありません。
生きて。
生きることに疲れたらまた逃げてもいい。
誰かのために死を選ばないで。

今いじめをしている人、その保護者の方へ

他人に攻撃性を向けてしまう・歯止めが利かないのは病気です。
専門機関の受診をお勧めします。
本人にとっては「ちょっとふざけただけ」でもそれによって人生を狂わされる人がいるんです。
「家の子に限って」なんてありません。
自分の子どもがいじめられる心配はしますよね?
じゃあいじめる側になる心配もしてください。
我が子がいじめっ子だなんて受け止めきれないと思います。
でもあなた達の子どもです。
逃げずに向き合ってください。

いじめをしている人はきっぱりやめましょう。
そんなことをしていても何のプラスにもなりません。
日々人をいじめる生活は本当に楽しいですか?
モヤモヤしませんか?
何で「いじめよう」って思うのか考えてみたことはありますか?
もしあなたがいじめていた子が死んでしまったらどうしますか?
いなくなってくれて嬉しいですか?
いなくなってしまったら「ごめんなさい」も言えないんですよ。
一生許してもらえないんですよ。
「このままでいいのかな?」って一度自分自身に聞いてみてください。
嫌いな子、苦手な子、気が合わない子がいてもいいんです。
だけどいじめという形で関わるのは絶対におかしいことだと覚えておいて欲しいです。

子どもは未来そのもの

これは私の個人的な考えですが子どもを大切にできない国に発展はないと思います。
今世の中を回している人達が永久にいる訳ではありませんし、どれだけ甘い見方をしても本質を捉えられている気がしません。
未来の希望である子ども達に真剣に向き合い、投資できない以上日本は衰退の一途を辿るのではないでしょうか。
「暗いことばかり言っても仕方ない」という人もいます。
でも今まさに未来の担い手を蔑ろにしています。
優秀な人材は海外へ流れ、古く凝り固まった考えの方々だけで新たな道が拓けるとは思えません。
これはいじめ問題に限らずです。
口だけの「子は宝」はいりませんし、現状とても宝に対する扱いだとは思えない出来事が毎日起こっています。
教育や文化的な物事の予算を大幅に削った日本は今後ますます金銭的にも思考的にも貧しい国になってしまうのではないかと心配です。
せめて子どもと直接かかわる大人がもっと子どもを尊重できる余裕(身体的にも金銭的にも精神的にも)が生まれるようなサポートを望みます。







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