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「失うということ。」(詩)

望み、不安、寂しさ。


暗がりの洞窟を抜けた先には。


きっと、目映い光が目の前を照らす。


その先に何が待っていても。


自我に自身を殺されても。


「進む」


……きっと、僕は頑固になっている。


何か、意地になっている。


たくさんのものを失った。


たくさんのことを託された。


たくさんのことを引き継いだ。


その分だけ、僕は。


その全部を、立派にこなして。


自分すらも、幸せにしようとした。


その全てに限度があることを

知らないままに。


身体が不思議な感覚に揺らぐ。


世界が廻って。


あの日の部屋が死んだ。


泣いて枯れていた。


血濡れの扉を開けて、

僕は外に出る。


その部屋を後にしなくちゃいけないから。


その部屋が、

僕の痕になった。


未来は、光に照らされている。


何色かなんて、

僕は知らない。


例え

黒でも、白でも、赤でも。


止まることは、自分が許さない。


「幸せ」をつかむその日まで。


意識を失う、その日まで。


嗤われたっていいんだ。


自分の思う独りよがりな善に従う。


戻れなくたって、

後悔はないんだ。


言わなくたって、

多分問題ないんだ。


意味のない秘密主義。


どうでも良かったから。


希望、鮮やか、全て……


言葉の海をたゆたう。


健やかな眠りの中で。


確かな矛盾の中で。


願う。


いつか、報われる日のことを……

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