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[詩]「空を飛んで」

こうするしかなかった。


他に道もあったかもだが。


心がそれを許さない。


いつも見ていた

あの空が好きだった。


何処までも続くその空は。


窮屈な私の心を広げた。


今に満足する気持ち。


満足できない気持ち。


天秤にかければ。


空の下を駆けていた。


それはきっと

綺麗だったから。


求めてしまった。


それで身を滅ぼすと知っていても。


戦うのはいつでも心地よかった。


好きなことの為の苦労は

どうしようもない癒しだった。


……その結果が、これだ。


逃げ場はない。


悟ってしまう。


あちらこちらで

火が見えたから。


燃えていたから。


けれど。


贖罪のチャンスがあった。


まだ、やれることがあった。


空を飛ぶ才能が、少しだけあった。


それは魔法の力。


今、否定されてしまった力。


無謀だと知っていても。


飛ぶしかなかった。


だって。


大好きな空が汚されたから。


だから。


魔法の言葉を呟いた。


そう。


いかなることが起ころうとも。


どれだけ、堕ちたとしても。


ただ、許せなかったから。


私は、こうするしかなかったのだ。


一瞬の静寂。


叫び声が響いて。


今日も

銃弾の雨が降った。


観客は、それを知った。

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