Photo by mamezouya 「名も知らぬ羽へ。」(詩) 6 桜街スピカ 2022年8月31日 19:12 動かない羽を見つめる。いっこうにその場から離れない君を見る。微かに動く羽の合図。もう遠くへはいけない。風を背に受け、ただ灯火は佇んだ。戦いの日は終わりを告げた。僕が揺らしても。手を差し伸べても、きっと。お互いに、何も知らぬのだ。解り合えぬのだ。動かなくなった羽を見る。私は、それでも生きようとする。ただ一度、微かな一度。道行く人の人生よりも。心を奪われた、誰かの記憶を。忘れぬように。踏み締めて、飛んだ。「……いつか、僕もそっちへ。」名も知らぬ羽へ、私がそんな羽を手に入れる日まで。今は、この青い地面を踏み締めよう。 ダウンロード copy #詩 #オリジナル #ポエム #生きる #記憶 #羽 #灯火 6 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート