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「思い出して。」(詩)

傷つけられた過去。


笑った過去も。


鮮やかに壊れていく

あの日の思い出。


怒りに任せて。


あの時の稚拙さに嘆いて。


過去を。


「悪いもの」として閉じ込めた。


もう二度と出てこないようにと。


願ってしまった。


向き合うことすら辞めると、

思い出した時に耐えられなくなった。


確かに、たくさん間違えた。


いいことばかりの過去ではなかった。


気づけば。


怖くて、後ろを振り向けなくなっていた。


幸せに笑ったあの日すら。


あの日誇れた決断すら。


思い出せなくなっていた。


そんなことを思うと。


何故か、酷く悲しい気がした。


傷を増やして。


幸福を享受して。


人生を積み重ねて。


もう二度と味わいたくない苦しみからは、

これからを生き抜く術だけ見つけて。


それだけを教訓として刻んで。


間違ったとおもったなら。


もう、二度と間違えない様に生きていこう。


あの日、笑いあったこと。


嬉しかったこと。


楽しかったこと。


過去も

「悪いことばかりじゃなかった」と。


そう、思い出そう。


きっと、二度と同じことはないから。


心を守るために。


これまでを労う為に。


せめて美化しすぎな位に、

素敵な思い出だけを思い出そう。


あの日の自分に。


あの日の貴方に。


もう、二度と会うことはないから。


大切だったことと。


それでも、生きてくれた過去の自分を。


忘れないように……

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