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24.6.18カブスク(持ち合い株の買い増し)の終焉 8&11月決算シーズン節目に上振れ期待

カブスク 終焉のはじまり 株売却益大

 本日(6/18)の日経新聞朝刊の記事によると、持ち合い株を介した安定株主の存在が消えつつあります。大手損保はビッグモーター事件をきっかけに持ち合い株に基づく取引額の算出ルールを問題視された結果、金融庁の改善要請を受けて売却に至りました。
 これまで日本企業の持ち合い株はサブスクのように毎年の積み増し(=買い増し)を慣行としていました。しかし今年の株主総会は資本効率の向上を目的に株主還元を強化、元手は持ち合い株の売却益です。
 本日(6/18)はトヨタの株主総会です。取引先の持ち合い株の取り扱いが注目されます。株主総会の集中日(6/27)までには日本企業のカブスクの方針転換(買い増し⇨売却)が決定づけられるかもしれません。
 一方で持ち合い株を良しとするケースもあります。京成電鉄はOLCからの配当金を先行投資に充てて持続的な成長を目指しています。アクティビスト(仏パリサー)も売却を要請しつつも持ち合い株に一定の理解を示しています。もうひとつの事例は岩塚米菓です。株主の旺旺集団(ワンワングループ)は飲水思源(いんすいしげん)の精神を体現し配当金をもって創業期の技術提携の恩に報いています。安定株主を目的としない持ち合い株は継続すべき代表例です。

令和企業の台頭 昭和慣習の瓦解

 日本人特有の出る杭は打たれる同質な横並びの体勢が瓦解しつつあります。長所に特化した尖った強みを生かしたビジネス活動を異業種との提携で弱みを補い急成長させていく経営方針が芽生えています。協働・提携、手に手を取り合い補完しつつ其々の強みを生かした経営スタイルは令和社会のロールモデルです。
 近江商人の三方良しに代表される利他主義に基づく日本社会の古き良き商文化を根底に、そろばんと倫理のバランスが取れたビジネス活動は、VUCAと呼ばれる不確実性の高まるグローバル経済の羅針盤です。
 グローバル経済にジャポニズムの再来として日本企業が牽引する株式相場を期待します。

日本株を楽観視 慎重な決算の上振れ期待

 8&11月は日本企業の決算シーズンです。5月期初の慎重な業績予想が上値の重い相場を展開させています。決算の上振れ期待が高まれば利益(EPS)増を想起させ日本株を上昇させます。
 秋口の実質賃金の増加、加えて米利下げが日本企業の追い風となり株価にも反映される見込みです。年末の日本株は4.5万円を想定されています。

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