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自分の中にある”何か”が統合されていった先に、何が起こるのか

海へ行ってきた。

何かの約束がないとなかなか行けないだろうと思い、Bills七里ヶ浜を予約した。

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七里ヶ浜はいいところだ。
今回はひとりで行くことに意味があったので、平日朝からひとりで江ノ電に乗り、行ってきた。

去年12月18日を最終出社日として、私の会社員人生は幕を閉じた。
以降コーチとしての道を歩み始めたが、大きな人生の変化の中で、今思うとかろうじて息継ぎをして生きていた。

会社を辞めた次の日からコーチングスクールの講師としてのお仕事がはじまったこともあり、初めての個人事業主(正確に言うと初めてではないのだが)、初めてのコーチ、初めてのxx、そして何より、来月からは会社からお給料が入らない!という焦りから日々脇目も振らず、分単位で仕事をしていた。
いつも何かに追われている感覚があり、まるでアリスの国の白うさぎに追いかけられているような感じで、常に「うさぎ来てないかな?!」と後ろを確認して生きていた。
この頃の私は溺れていたのだ。
資本主義的なスピードの世界にいるのをやめよう、と決意して会社員を辞めたのに、長く続いた習慣だったから、また同じ生き方をしてしまっていた。
だから、大事なことに気づけなかった。
この頃、よく2021年のテーマを「スペースを作る」「余白を作る」と言っていたので、予感はあったはずなのに。

火山の噴火のように、どーん!と爆発したのは必然だった。
私のエネルギーはバランスを崩し、崩壊した。見事なまでの崩壊劇で、ものすごい衝突が起きたし、生まれて初めて人生で不安を感じ、涙が止まらない出来事が起きた。(詳しく書きたいところなのだが、私だけのことではないのでここでは触れずにおく)

大パニックの中、同時に立ち現れてきたのは、私の中の「陰」の部分とでも言うべき、今まで「自分の中にない」と思っていたものたち。

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それらは「太陽」が人生のテーマである私にとって、「」や「夜の海」などと表現するとしっくりくるもの。
それを持っている人に焦がれる感覚がずっとあり、そういう人を好きになってきた。自分にはないものだと思っていたから。
マイコーチに「それらはゆりちゃんの中にも確かにあるし、ゆりちゃんの大きなリソースだ」と言ってもらったこともきっかけに、だんだんと自分のそこに意識が向いていった。
それは、「私は幸せだから」「この家に生まれたのだから」「太陽だから」「コーチだから」……だから、「そんなこと考えてはならない」と、無意識に抑圧して来た、自分の中にあるネガティブな思考や感情だ。

人間は誰でも必ず何かを抑圧して生きている。生存本能がそうさせる。
そうして無意識に抑圧した自己をコーチング・心理学の世界では「シャドウ」と呼ぶが、まさにシャドウの学習中に自分のこれだけ大きなシャドウと向き合うことになるとは思わなかった。
自分の中にあんなにも世界が鈍色に暗く見える、悲しく絶望的なものがあるなんて知らなかった。衝撃だった。
だから、しばらくそこにいてみることにしたのだ。

マイコーチとのセッションの際、暗くてコンクリートみたいに硬く狭いトンネルのようなその場所から、コーチと一緒に体を使い、ゴロゴロゴロと勢いよく転がって青空の広がる海へと脱出した。
あの、”抜けた感”はすごかった。
(体を使うコーチングは本当におすすめだ)

あの時の「海」はメタファーだったのだが、実際にリアルの海へ行くことをコーチと約束したので、実際に海を味わってきた、というわけだ。

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海を全身で感じながら思ったことは、私たちは「宇宙のデザインの中にいる」ということ。
「宇宙のデザイン」というのはとある人の表現なのだが、なんていい表現なのだろうと思い、以来使わせてもらっている。

波の満ち引きが永遠に活動をやめないのと同じように、私たちは永遠に活動を続ける宇宙のデザインの中にいるだけなのだ。
ただ、それだけ。
なので、いくら頭で考えたって仕方ない。起こることはすべて宇宙のエネルギー活動の一部なのだから、それにただ身をまかせるだけでいい。

仏教だと「はからい」と言うらしい、宇宙の真理。
あれこれ頭で考え、自ら苦しみを生み出すことなかれ。ただただ、ありのまま体験して身を任せよ。
ネガティブな感情が出てきたらそのまま味わえばいいし、抑圧したり見たくなかったりするそこにこそ、人間の美しさや神秘があるよな、と思う。
抑圧するのは、それがその人が生きるために必要な選択だったから。
その選択は、すべて儚く美しい。

味わい切って、抑圧していたものを抑圧しなくなった今、本来の場所に自分のエネルギーが巡っていくのを感じている。
自分を取り戻す。未完了を完了させる。全体性・本来性を発揮する。
自分の可動域が広がるような、器が広がるような。自分の中にある開かずの扉を開けたから、広がりが出るし、通りやすくなる。
そんな感覚が、今の私にある。
コーチとして独立した最初のギフトとして、これ以上のものはないだろう。

今回のことから、私は仕事をセーブさせてもらい、「スペース」を作っている(ありがたい)。資本主義的なあのスピードの中にはもう戻らない。私は持ちすぎていたのだ。早くこうすればよかった。
起こることはすべてが大事な「サイン」「メッセージ」なのだ。
クライアントさんとしっかりと向き合うには、コーチにスペースが必要だ。
この「スペース」と「夜の海」を得てから、私のコーチングが大きく変わりつつある。それを感じることができていて、とても嬉しい。

気づけば四半期が終わろうとしている。
独立元年、2021年のこの3月までのことを、私は生涯忘れないだろう。

この感覚を、身を以て体験したこの大きな学びを、コーチングとクライアントさん、私に関わってくれる人たちに還元したい。
その人の中にあるもの、その人が今感じていること、抱えていることを場に出してもらい、評価判断なく共に味わいたい。物語を聴かせてもらいたい。
その人の中の扉を、一緒に開いていきたい。探求したい。
そのために私はコーチになったのだ。

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名残惜しく七里ヶ浜を後にする前に堪能したもの。

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平日昼間のアルコールは、いつだって最高である。


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あなたの中にある「月」「夜の海」は、どんなものですか?
よかったらぜひ聴かせてください。


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