見出し画像

帰路

冬の商店街
ひとりあるく

気になった店にはいり
気まぐれに物色
好きなものを買い
つかれたらカフェにはいり
またひとりあるく

我が家にいる
やすやすと外へ出られない娘

のうのうと外を歩きたくないおっと

わたしはひとりやすやすと のうのうと
おのれの目的を無意識に果たす

帰り道
商店街の景色は無機質に
迫り来る我が家

夫からの
娘への批判は聞きたくない
娘からの
夫へのいらだちは聞きたくない

だんだん足がざわざわと
頭の中がごわごわと

あ、そうだ
帰ったらふたりにいうのはよそう
彼らへの批判、判定、イヤミ、理想

私の口から出たものを私自身が聞いているのだ
きっとわたしも聞きたくなかろう


そうやっていつもの帰り道。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?