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海外で育つ子どもが日本の学校を体験したら⑥ 良かったこと

韓国で生まれ育っている息子、ユウが小学2年生の時に経験した日本の小学校への体験入学シリーズ、いよいよまとめです。

ユウは現在9才の小学4年生。小2での4ヶ月間の体験入学を経験し、小3の7月にももう一度同じ学校に通い、これまでに2回の体験入学を経験しています。(そして先日「今年はどうしようか?」という話が出ました)

帰国してからある程度の年月が経って、改めて感じる海外育ちのユウが日本の小学校を体験して良かったことと、逆に注意が必要だと感じたことについてまとめてみたいと思います。まずは良かったことから。


① 日本語の会話力が安定した

保育園までは、日韓両言語で概ね年齢相応に話すことができていたユウでしたが、韓国で現地の小学校に入り、韓国語での学習が始まると、どんどん伸びていく韓国語に対して、日本語がかなりあやふやになっていきました。
会話の中で知らない語彙は韓国語で置き換えて、日本語の文章に韓国語の単語がちょこちょこ混ざるようになり…。
幼稚園頃までに覚えた言語はネイティブレベルになれる反面、まるっきり忘れてしまうこともあるということを知っていたので、母はこのままでは日本語が消えてしまうのではないか?という危機感を覚えていました。

韓国で暮らしながら日常会話レベルでギリギリ保っていた日本語でしたが、日本で4ヶ月生活し、学校に通って100%日本語で過ごすことで、日本語で考えて話す回路が太くなり、日本語のみでもスムーズに話せるようになりました。

日本で暮らし始めた当初、日本の家族の会話を聞いては「じゅうたいって何?」学校でプールをしては「けのびって何?」など生活に密着した単語や特定の場面で使う単語を聞いてくることがしばしばありました。
それが、しばらく経つと「いや~、そうなんっすよ」「いや、それはちがうっしょ」のような、ある種こなれた(?)表現を使うようになり、四ヶ月経つ頃には、担任の先生に「教科学習にも問題なくついていけている」とお墨付きを頂けるように。

韓国に帰国後も、日本語の会話力は今のところキープされています(学習言語が学年相応に伸びているかは別の話)。「会話は日本語の方が楽」と言うこともあり、韓国語との使い分けがしっかりできるようになったと感じます。

② 日本にも地元に近い感覚の場所ができた

前回の記事で書いたダイ君を始め、日本に帰ったら会う友達ができた、というのはとても大きいです。それ以外にも、行きたいスーパー、コンビニ、100円ショップ、学校の近くの公園など…。なにげないことですが、そこで過ごした時間を懐かしがったり、行きたがる様子を見ると、期間は短くても、故郷に近い愛着が育っているなと感じます。

この感覚は、長い目で見た時に、日本にもルーツを感じたり、絆を感じられるものとして、将来的に一番大事なものになるかもしれないと思っています。コロナ禍で3年ほど会えていなかったおじいちゃんおばあちゃんとも、一緒に生活したことにより密度の濃い時間を過ごせ、より親しみを感じるようになったようです。

③ 学校や習い事の文化の違いを知った

「日本の学校と韓国の学校とどう違う?」と聞くと、「え!全部違うんだけど」というユウですが、世の中には、一口に学校と言っても様々な運営方法やルールがあるんだということを知ったことも大きな収穫でしょう。

日本には給食当番がある、荷物が多い、朝が早い、集団登校をする(地域差もありますが)、休み時間が多い、学校にいる時間が長い、韓国の低学年ではない科目(図工、音楽)がある…。

逆に韓国の学校(ユウの通っている学校)では、お昼を食べたら学校は終わり、放課後授業(任意)でバラエティに富んだ科目がある、帰りに寄り道したり買い食いしたりしても特に問題にならないなど…。

習い事でも、韓国で習っていた運動では試験を受ければ当たり前のように進級できていたのに、日本で始めた水泳では思うように進級試験に受からず「僕には4ヶ月しかないのに!」と涙を流したユウでした。韓国に戻って水泳を新たに登録し、1年後に日本で同じスイミングスクールに通ったところ、なんと10級分もスキップして進級。同じ水泳と言っても、教え方もシステムも基準も違うのだと実感した出来事でした。

場所によって良いこと駄目なことの基準が少しずつ違っていたり(文化の違い)、ある場所でうまくいかないことがあっても、やり方や場所を変えればすんなりできることもあるということを身を以て学べた経験となりました。

④ バイリンガルとして妹のロールモデルになっている

妹のまるちゃんは、ユウの体験入学当時まだ1才だったため、直接的に日本語を現地で学んだという記憶はほとんどないと思います。しかし、お兄ちゃんの日本語力が安定したことで、韓国にいても家庭内で日本語コミュニティを維持することができ、まるちゃんの日本語も目覚ましい勢いで伸びています。
お兄ちゃんが日本語と韓国語を場所と人によって使い分けるのを見てか、まるちゃんも保育園とパパ、韓国の家族には韓国語、ママとお兄ちゃん、日本の家族には日本語と自然に使い分けるようになりました。
バイリンガルとして妹の良いロールモデルの役割を果たしてくれており、長期的に見て妹への影響という意味でも、とても良かったです。

日本の学校への体験入学をして良かったことをまとめると、以下のような良い点があったと言えるでしょう。

  • 日本語の会話力が安定した。

  • 日本にも地元に近い感覚を持てる場所ができた。

  • 学校や習い事の文化の違いを知った。

  • 妹にもバイリンガルのロールモデルとして良い影響を与えている。

しかし、良い点があれば、その分危ういなと感じたこともあるわけで…。

次の記事では、逆に注意が必要だと感じたことについて書きます。


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