お医者さんごっこ
娘が5歳のとき、ある病気で半年の間に2度も手術を受けた。
療養中の慰めにと猫のぬいぐるみをお見舞いにいただくと、たいそう喜んで肌身離さずにいた。
当時はポケモンが大流行した頃で、退院して間もない誕生日にはピカチュウのぬいぐるみを欲しがったので、小さめのを買ってやった。
病み上がりの娘がある日昼寝をしていた時、わたしは面白いものを見つけて笑った。
ピカチュウが小さな布団に寝かされている。
布団は以前、おままごと用に作ってやったのだが、ピカチュウの額には折ったティッシュが載っていた。
幼い字で張り紙があった。
「かんじゃのなまえ」
ピカチュウ
「しゅじい」
M(自分の名前)
「ねつ、にゅういん、てんてきちゅうです」
自分の経験を思い出してやったのだろう。
元気な時は友達と毎日走り回っている子だったが、しばらくガマンの日が続いた療養中、ひとり紙に書きながら何を思ったのだろうか。
ピカチュウは色褪せもせず、大学に進む時、東京への荷物に入り、4年後また一緒に帰ってきた。今もそれはあるが、彼女はあの頃のことを覚えているだろうか。
それはともかく…… 夜更けの更新のタイトルに期待したひと、いたでしょう?けけけ( ̄∀ ̄)
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