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ポンコツ母を笑う娘よ

元ブログより、2013年08月28日に書いた記事。多少の加筆と注釈(細字部分)を入れて載せます。それにしても10年も前の記事とは!!! Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ・・・・


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ワタはド近眼である。
目は散々酷使してきた。
母の法事の時のこと、集まったオバチャンたちが盛り上がっていた。
「歯 目 下」
法事なのに、何故そういう話につながっていったのか? ともかく人間はその順番に衰えていくと、オバチャンたちがぐふぐふと笑いながら言う。

ならば・・・最後に残るのが・・・恐るべし!! シモ!!!!

それはともかく。
歯は前歯が欠けたのを機に、一年かけて治してもらった。

ワタシのようなせっかちな人間が一年もかけて通い通したのは、ひとえにドクターの腕の良さである。
歯医者嫌いなワタシの意識を変えるものであった。
おかげで歯は全部快調である。
先生その節はいろいろとお世話になりました。

目は近眼だけと思っていたら、左目は先天性の白内障だという。
眼科医が
「ほう、これは珍しい」
と、嫌というほど検眼機を押し付けて暫く見ていた。
私は花粉症で目が痒くて受診したのにである。
それでどうなるかというと、生まれたときに進行が止まってしまって、別にどうもならないそうだ。

が、しかし、最近は確かに目が不調だ。
端末やパソコンを使いながら、別の数字や小さな文字を見ると焦点が合わない。
気がつけばメガネをかけたり外したりしている。
老眼というヤツだ・・・クヨクヨ・・・
(とはいえ、裁縫などは全く苦にならず、絹針のほとんど見えないような穴にも、難なく通せるので正式な老眼ではないようだ)

考えてみればワタシはポンコツである。
へらへらと傷病、手術歴など自慢にすらしていた。
また、もう怖いものは無い!とまで言っている。
実際、怖いものなしだが、手術は7回だの、あちこち酷使してガタが来ているようだ。
(
2022年12月に腹腔鏡手術を受けたのでさらに更新されている。)

でも、まだまだイケルと思い込むことにしている。
歯もまだダイジョウブ。
目も騙しだましでも。

シモは・・・あらイヤダ・・・
殿方の話ですわそれは・・
(*゚▽ノ゚*)おほほほ♪

歯については忘れていたのだが、娘がこの前、わざわざ思い出して大笑いしていた。娘は記憶力が良く普段はいちいち言わないのだが、時を経て
「そういえば・・・」
としゃべり始めるときは要注意である。

大人になった娘だが、ワタシにとってはいつまでも子供であるので、
「あんた、食べたらちゃんといちいち歯磨いてるの?」
なんて声をかけたのが墓穴を掘った結果になった。

娘はプッ・・と吹き出し
「思い出したよー、『金ちゃんヌードル』昼すすっていた時、前歯が欠けたんだよねー(`∀´)」

自分のことでなく、ワタシのことである。ウッ・・・ なぜそんなことを今更思い出す!!
ここで補足しておくが、今のオットは2番目で、娘とは血の繋がりはない。が、どうもなんだか、
「上に兄がいる2番目という生い立ちでの苦労」
など、感覚的に通じるものがあるので、実に話が合う。ワタシをネタにして笑っていることも多いのだ。

オットはワタシのことを、これでも
「理想の女性」
と言ったものだが・・・過去形か・・・。

いいお母さん、料理上手、始末がよく倹約、なんてイメージだったという。いい
だの
上手
は知らぬが、母親はとりあえずやってきたし、料理もまあ普通にするし、ケーキなんかは折々に作って子供たちは喜んでくれたものだ。

そしてワタシは金のかからない女である。

逆に言うと
粉骨砕身、生きる努力と工夫を重ね、ガンになってもくさらず、現在に至っているのだ。

注射や手術の方は平気なのだが、私は歯医者がどうしても駄目だ。どんなに虫歯になろうとも、痛いのを我慢するほうがマシだと思っている。
子供やオットには、行け行けとけしかけるが、自分は逃げていた。

訳はちゃんとある。
20年も前になるが、当時は虫歯もたいしてなかったがある時右の奥歯が痛み出し、見えない部分まで侵食されていると言うので抜歯することになった。

その時の麻酔が合わなかったのか、注射後具合が悪くなり、過呼吸を起こし卒倒したのである。
それでも歯科医は抜歯を続けた。思い出したくもない。
以来歯医者が駄目である。その歯医者は何ゆえかその後数年足らずで閉院した・・・。
そもそも食べ物以外のものが口に入るのは嫌だ。歯ブラシもブラシ部がごく小さくないと嫌である。

娘を産んだとき一本駄目になった。その時も前歯で、しぶしぶ治しに行った。
(この母のカルシウムを取り込んで産まれた娘は、生後2ヶ月で歯が生えてきた)

いくらなんでもちょこっとでも歯が欠けると途端に面変わりする。
で、その(当事者のワタシが銘柄まで忘れていたというのに)
「金ちゃんヌードルだよ、金ちゃんヌードル、せんべいや硬い肉食べてたんじゃないんだよ。金ちゃんヌードルすすってて、前歯かけたのこのヒト」
と言ってオットの反応を見るのだ。

「そのときの顔と言ったら・・・間抜け、アホ面、あんなに笑える顔は未だかつて見たことないねー」
・・・・と娘が大爆笑しながら言った。

「チョー」
まで付けて、更に
「金ちゃんヌードル」
と何回もだ・・・

言うな!!!
ったく・・・我が家はこういう時心配、とか、気の毒がる、とかそういうデリカシーがないので困る。
あの時は焦った。いくらなんでもコレでは明日からの仕事にも差しさわりがあるとは思ったんだ。
鏡を見て、あまりのマヌケ顔に、我ながら爆笑したのも覚えてるってば。

仕方なくネットで歯科医を調べた。
運悪く、近所の歯科が日曜も診療していた。
完全予約制なので、無理だろうと思いつつ(別にマスクかけていけばいいしと、逃げ道を作りつつ)電話をしたら、前歯がないのは特に大変だろうからと受け付けてくれた・・・。断ってくれてもいいのに・・・

娘に
「頼むから着いてきて!!!」
「ワタシが帰って来れなくなってもいいの???」
と脅しつつ懇願したが、娘め、人の顔を見て
「アハアハアハアハ」
腹を抱え、涙まで流して笑うばかりであった。
フン!! 奴に何かあっても今後一切面倒を見るもんか!!!
恐れつつ、わななきつつ、放心状態で歯科に着いた。待たされている間に手足が冷たくなっていく。

問診表を渡されたので

・治療中具合が悪くなったことが ある ない

の、あるの部分に大きく丸をつけてアピールもした。
ついに呼ばれた・・・・ひーーーーっっっっ!!!・・・・

まことに治療は日進月歩であった。
レントゲンも違和感なく終わった。

先生が、チュイーンをしながら
「ダイジョウブですか?」
「我慢しないでくださいね-」
と声をかけてくれる。上手な先生で痛みがない。
チュイーンは耳障りではあるが、昔ほど救いようのない音ではなかった。

「コレがダイジョウブなら後は怖いこと全然ないですよ」

とりあえず仮歯が入り、しばらく通院することとなった。
明日お客様に微笑んでも、逃げられることもないだろう。
ほっ・・・・・

平素、早期発見早期治療と啓蒙しているワタシがこの体たらく、更に何年も経って、娘からこういう仕打ちを受けるのである。

娘もオットも爆笑しているのでとりあえず笑ってみる。

おほほほほほほほ・・・・・ チクショーーー(´;ω;`)

  前歯欠け   婆の顔に   なりにけり

  鏡見て  間抜けと思い  タソガレる・・・・・  ちーん


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