依存症について

 わたしはかつて二つの依存症になっていた。わたしの父は早くして亡くなったのだが、父親ベッタリだったわたしにはでっかい穴が開いた。そこを埋めようとしたのがセックスと買い物だった。
 わたしは手帳一級の精神障害者で双極性障害を患っているのだが、その最大の特徴でもあるらしい。まあここに辿り着くまでの経緯は別に書く。長くなるので。

 とにかく穴が不安で、それを埋めたくて誰とでも寝た。誘う、落とす、行為をする、ということに達成感を覚えていたからだ。まあセックスに関してはセーフティーセックスなら別に問題はないと思う。あるか。
 が、買い物依存はえらいことになる。ない金を使うからだ。親から建て替えてもらった分も合わせれば四百万は行ったんじゃないだろうか。これは自己破産で精算した。
 とにかく金を計画的に使えない。欲しいと思ったら何がなんでも手に入れないと不安でイライラする。
 大体が服と宝飾品で、あとはグッズやパソコンだったと思う。車にかかった費用もあったか。
 働けなくなり、年金生活になってそれでも物欲は止まらない。借金はできないから生活費を買い物に注ぎ込む。最終的に水風呂で小麦粉練って焼いたものを食べていた。あとは売れるものはすべて売った。親の形見も売った。最悪の状況である。

 が、ある日、人生が一転した。双極性障害と診断され、薬の処方が変わった途端にすべてが治ったのだ。まず支給日に一月分の食料と日用品をネットスーパーで買う。野菜などは安い八百屋でまとめ買いする。光熱費などを全て差し引いて残った金額を趣味や臨時出費に充てた。

 今思えば病気になる前はこれができてたのであろう。今も買い物は好きだが、ネット通販がほとんどなのでカートにとりあえずぶち込んで、後から吟味して削除していき、どうしても必要だったり欲しいものだけを買っている。、服も安いサイトで買って工夫して着こなす。外食もほぼせず、少しずつ貯金をしてスマホの買い替えや旅行にたまに行く。
 カードが使えない
 借金ができない

この二つの理由の上でなりたっているとも言えるが、薬の効果が1番高い。今のところ不眠と過眠の交互に苦しんではいるが、1番ひどいときに比べれば、人間に戻った。
 正直赤裸々な話で恥ずかしい。でも同じような状態で苦しんでいる人の参考になれば良いと思って書いてみた。ちなみに性依存も嘘みたいに消えた。

 自殺未遂も自傷行為も数知れずの人生を送ってきた。だから言いたい。適切な治療を受ければなんとかなる。
 長生きしたいとは思わないが、なるべく自然死したいとは思う今日この頃である。

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