機内に空港警察が突入してきた日
今回も、実際に私が体験したフライトの話を紹介します。
アフリカの空港で、機内に警察が来て、お客様を逮捕したお話。
外資系CAとして世界を飛んでいた頃、もう日本では考えられないぶっ飛びな経験しました。
心底ビックリした経験は、数えきれません。
今回は、そのうちの強烈なエピソード。
アフリカの空港で、酔っ払いの大男が、銃を向けられ連行されてった日の思い出…
空港警察が突入してきた日
ある日、私はアフリカ線に乗務し、アフリカからドバイに向けて帰る便に乗務するため、機内でお客様をお迎えしていました。
搭乗が始まって、キャビンには、沢山のアフリカ人のお客様がやってきました。
言うまでも無く、その多くがアフリカ人のお客様。
そして、同じくらい中国人から出稼ぎにきてるお客様も何十人もいました。自分の座席が見つけられないお客様も多く、搭乗券を見ながら、座席に案内するのに大忙しでした。
そんな中、身長が190cmくらいある、大きな黒人男性がご搭乗下さいました。
筋肉ムキムキの、見るからに強そうなお客様でした。
その男性、、、、お酒の匂いがプンプン。
モロッコ人のCAが、最初にその臭いに気づいて、私にコッソリ教えてくれました。
私もそのお客様が、どのくらい酔ってるか確認するために、挨拶をしながら、様子を見に行きました。
Welcome onboard ,Sir! How are you?
ご搭乗ありがとうございます。
と言うと、
男性は眉毛を動かして、口角をちょっと上げてくれた。
その数秒間に、男性の顔を観察。
目が血走ってて、お酒の匂いがスゴイ。。。
うん、これはヤバいと思いました。
CAはお客様の搭乗時に、ご挨拶をするのに加え、体調が悪そうな人や、極度に酔っ払ってる人が居ないかモニターするのも仕事の一つ。
酔ったお客様を乗せて、上空に飛び立って、上空で何かあっては遅い。逃げ場が無いのです。
エコノミークラスのCA達は、すぐパーサーに報告しました。
この後、事態は更に悪化。
CAに絶対言ってはいけない言葉
日本人は1人も居ない外資系エアの飛行機なので、外国人CAはもうストレートに、質問を始めた。
「お客様だ大丈夫ですか?お酒はどの位飲まれてますか?」
と聞くと、、、
男性は、大声で怒って怒鳴り出した。
そしてキャビンアテンダント達にむかって
Fから始まる悪い言葉を、使ってしまった。
「ふぁ○○ ユー !!」
これねぇ、、、日本人が思ってるより、英語圏で、絶対に使ってはいけない言葉。。
アウトーー。
このFから始まる言葉は、
お客様がCAに使った場合、搭乗を拒否できる言葉なんです。
他のクラスのCAもすぐに駆け付け
「that is not acceptable ,we have to report you immediately(お客様の行動は容認できません。直ちに報告します)」
と毅然とした態度で対応。
パーサーは機長に報告。
機長がオフロードを決定。
※オフロードは、飛行機から降りてもらう事。
外資は、オフロードの決定が速かった。
そして、空港の警察に通報。
飛行機に空港警察が到着
すぐに警察が到着。
手にはドデカイ銃を持って、ドカドカと入ってきた。
海外の警察が突入してきた時の、音や迫力は、今でも鮮明に覚えています。絶対逆らったらあかんやつや…と私の本能が察してました。
警察が、怖い声で、男性に降りるよう指示。
男性も警察には従って、飛行機から出ていった。
一件落着かと思ったら、、、
そして飛行機のドアを降りる直前で、男性がまた怒鳴り始めた。
男性が怒鳴りながら持っていた、荷物を地面にたたきつけたのが見えた。
と、その途端!!!
警察の持っていた大きな銃の銃口が、男性に向けられてた!
アフリカ警察さん、銃向けるのはやっっ!!(@_@)
生まれて初めて、誰かが銃を向けられてるの見た・・・(+o+)
これは夢?現実?
「Hands up i!hands up!!(手を上げろ!手を上げろ!)」って、警察が怒鳴ってました。
男性は、さすがに両手を上げていました。
日本で、酔っ払いが鞄を床に叩きつけても、警察は銃を向けたりしないですよね。
カルチャーショック半端なし。
そもそも、日本の空港の警察って、そんな大きな銃を持っていないし。
飛行機につけられた階段を降りた所にと、警察のワンボックスカーが停められてた。
男性が乗り込もうとした時、
警察は思いっきり、男性の背中を、足で押していました。
あまりに手荒なので、
「この国の警察乱暴すぎる。。。ちょっとかわいそう」と、日本の平和ボケ気質の私は感じました。
ぐちゃぐちゃになったエコノミークラス
男性が連行されたのを見届けて、機内に戻ると、、、、
乗客みんなで、飛行機の窓にへばりついて、その様子を見てた。
こんなにみんなが片方の窓に寄って、飛行機が傾くんじゃないかって思ったくらい。w
さっき座席に案内したばっかりやん!!!と心の中で叫びながら、再び中国人の団体のお客様を、それぞれのお座席に案内しました。
中国人のお客様に慣れていないアフリカ人クルーたちは、少しイライラ。笑
アフリカ人のクルーに、
「あなたは同じアジア人だから、言葉を理解できるでしょ?何とかして!」とムチャぶりされたり。
酔っ払った大男のオフロードも大変でしたが、
ぐっちゃぐちゃになった機内を元に戻すのも、
超大変でした。笑
飛行機は大幅に出発が遅れていた。
ケニア人のエコノミークラスのリーダーが、
少しでも早く席に座ってもらいい一心で、
「もう、どの席でも良いから座ってー。
どの席に座っても同じ目的地につくから!」
とアフリカ流の解決策を提示しておりました。笑
これもまた、日本では考えられないですよね。
異文化の大渋滞でした。www
まとめ
家に帰って、キューバ人と、イタリア人のルームメイトに、大興奮でこの話をしたました。
すると、
キューバ人のルームメイトが、
「警察が、銃出すのなんて普通だけど?!
南米は、酔って物壊してるだけで、撃ってくるよ」
って言っていました。
冗談だと信じたい。。。w
海外が危険なのか、日本が平和なのか、一言では言えませんが、世界は広いですね(^-^;
海外の警察を見慣れてる人には、普通の話かもしれません。
けど、日本育ちの私にとっては、
銃を向けられて「両手をあげろ!」って言われてる人を見たのは、本当に衝撃的でした。
お酒を飲み過ぎて、海外の空港で暴れてはいけませんね。笑
特に、アフリカ警察のお世話にはならない方が良いです。
アフリカのどの国だったかの詳しい国名ですが、、、
たしか、アンゴラだったと思うのですが、ジンバブエかセネガルとか・・・
謙虚さを欠く発言かもしれませんが、中東系エアラインのCAをすると、行く国が多すぎて、頭の中で記憶がぐちゃぐちゃになります。
色々な国に行けて会社には感謝していますが、体力的にはキツめでした。
極寒のドイツに飛んだ後、ドバイに帰って2日してすぐ、ブラジルサンパウロ、2日家で休んでその夜から南アフリカへとブンブン地球を飛ばされるので、体力勝負でしたね。
長くなりましたが、最後まで読んで下さってありがとうございました。
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