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MUJIと武蔵美のリビングラボ

当事者である地域住民をいかに巻き込み、地域のニーズを顕在化して、より良いコミュニティや地域づくりに役立てていくか。そんなソーシャルクリエイティビティの試みが、日本でもあちこちでみられるようになってる。7月にラウンチされた市ヶ谷のMUJI 【MUJI com 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス】は、武蔵美の市ヶ谷キャンパスの1階に戦略的に設置された新店舗で、私が理想的と考えるリビングラボの要素をいくつも備えていて、まだまだこれからなんだろうけれども、私の中では日本のリビングラボのオススメ第1号。

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屋外のイベントスペース。行ったのが朝早かったので、まだ準備中だった。

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中は無人キャッシャーがあったり、ちょっとした展示があったり。シルクスクリーンもやってました。

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目玉は、カフェエリア(写真撮らなかった...)?!特に武蔵美市ヶ谷キャンパスが立地しているのはショッピングエリアというわけではないので、地元の人がくつろいでるのかな。←多分これも狙い。

リビングラボというのは、端的に言って生活に根付いた実証実験の場所のことだ。今のテクノロジーは人の生活に密接に関わって使われることが増えてきていて、人とのインタラクションの理解なしに開発してもうまくいかない。いくら現状のニーズを事前調査しても、人も変わるし、環境も変わる。そして人は学習するから、特にスマートなテクノロジが相手だと、実験室で分かることだけでは日常生活で役立たない、始めは役にたってもテクノロジも学習するからすぐに役立たなくなるケースが増えている。

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自宅などの日常生活の場をラボにするというのが基本の形だが、別の方法として皆が集いたくなる場所を創りリビングラボとすることも考えられる。

正直、新しく「リビングラボ」を箱として作ることはあまり有効ではないと思っている。それは、そこに来るだけの理由を人に持ってもらう仕組み作りは大変だから。多くのデンマークの箱物「リビングラボ」は、訪問するとガランとしていて人の影がない。システムもIoTもプロダクトも、次々試してみて洗練させる仕組みが動かせないのであれば、単なる実証実験と変わらない。

リビングラボは、日常生活に組み込まれていて、当事者が継続的に試し改良を加えていくことが自然にできる、そんなエコシステムを創り出すことができるかがキモになるんだと思う。そんなことを、数年前に専修大の上平先生と図式してみた。今の考えは少しずつ改良されていて、この図とはちょっと変わってきているけれども、それでも基本的な部分は押さえられていると思っている。

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そんなこんなで、私の理想と考えるリビングラボの要素をいくつも備えていそう(備えられそう)なMUJI .com 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスに、とても期待している。だからこそ、武蔵美の山崎先生らがソーシャルクリエイティブ・イニシアチブを組織したよ(FB)、とお誘いを受けた時に、私も発起人メンバーに加えていただいた。それは何よりも実際にものづくりと地域づくりとそのノウハウを持つコミュニティがこの市ヶ谷に揃ってきている、私も何かここでやってみたいと思えたからだ。

リビングラボの要素として、人が日常に足を運ぶ理由がある場所「参加者が集まる必然性」があると思うのだが、個人的には、MUJIが何か新しいことを仕掛けるんだったらちょくちょく様子を見に行きたいと思う(流石にコペンからは無理だけれども...泣)。コペンハーゲンで例えるならば、Space10Torvhalleneなんかだろうか。きっとMUJIと武蔵美に同じように期待している人はたくさんいるんじゃないかな、と考えている。期待値高いです。

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