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マイノリティの当事者が動き、マジョリティの理解者が立つ

最近、興味深い考察を読んだ。

アカデミアにおける男女共同参画はなぜ遅々として進まないのか 〜英国・欧州日本人研究者交流会、男女共同参画セッション講演を終えて〜 (安藤 真一郎(アムステルダム大学 物理学研究所))

書かれていることには賛成の言葉しかなく、とりあえず男性研究者も女性研究者も、研究者じゃない人も、読んで欲しいと切に思う。

本稿にも示唆されていることだが、欧州に住む日本人の一人として、そして北欧に住む女性として、北欧の男女参画の実践を見て考えてきたことの一つが、「当事者が動くことはもちろんだが、社会が変わるにはマジョリティ側の賛同者が不可欠」ということだ。

北欧の70年代に起きた女性の社会進出に関わる議論やイベントごとには、必ず男性の姿が見られた。女性の問題ではなく社会全体の問題と認識されたから。同様に移民の問題は、移民だけでなくマジョリティ側の市民(で問題意識を持っている人たち)が加わる。LGBTQのパレードは、特にLGBTQを自認してない人たちも参加する。理由は同じだ。

男性も一緒にデモに賛歌している
(https://historienet.dk/samfund/dagligliv/abort-skam-drev-kvinder-i-doeden)

自分は関係ないと傍観している人たちは、現杉並区長 岸本聡子さんがおっしゃているように、動かないことで否定側に加担していると認識した方がいい。

『私がつかんだコモンと民主主義』岸本聡子

自分が今ある制度や関係から利益を受けている場合、それに中立であることはできない。積極的に変えようとしない限りは現状を維持 しようとする権力の一部になって加害者であり続けてしまう。

『私がつかんだコモンと民主主義』岸本聡子

男女共同参画を進めたいのであれば、女性だけでなく、女性も男性もだれでも思いを同じくする人たちが一緒に取り組む必要がある。この筆者のような方が増えれば、もう少し議論がまともになるに違いない。

特に私は女性だから、下記のようなことが男性側から発言されたこと嬉しく思う。

「何が問題かわからない」というマジョリティの立場(日本における男性)にも、そのようなマジョリティの意見に苛立ちを感じるマイノリティの立場(ヨーロッパにおけるアジア人)にも立ってきた経験。しかし一番感じていたのは、この役目は男性がやらなくてはならないと言うことだろう。

https://cheers.jsps.go.jp/report/report19/


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