こころまるはだか
キミはつよい。
そこには早く着いていたのに、経血が止まらなくてナプキンを何度も変えても追いつかず間に合わなくなった。
やっとトイレから出たら、疎遠になった同級生と偶然会った。
作った笑顔と軽い会話をしてその場を後にした。
キミのところへ途中参加したわたしは、会場のふかふかしたベットに座った。
隣の若い3人組に軽く挨拶をした。
2曲が終わった後、少し休憩があった。
客席に来てくれたキミはみんなと握手したり一緒に写真を撮ったりしてくれていた。
近くに来てくれたので、わたしは思わず自然とキミとハグした。
その手は予想以上にきつくて強かった。
知らない人とのハグってもっと軽いものだよと思い、それでもその手を離したくなかった。
両手はしっかりとわたしの体を覆った。
その指先からは自信を感じる。
キミは何も言わなかった。
キミもわたしを求めていた感覚がした。
かおがちかくて、目があったけど、キミはすぐ伏せてしまう。
少し笑みを浮かべているけど、真剣な表情だったのを感じた。本心しか言わないひと。
私は自分の名前と感謝だけ伝えた。
それからは記憶がない。
ほわっとして、安心して、楽しくてもう。
隣の若い3人組が楽しそうに喋ってる声だけが聞こえる。
結局わたしはキミのことを思っているだけでいいと思っていたのだけど、触れてしまったらもっと欲しくなってしまった。
どんな会話をするのかな、どんなことで笑うんだろう。
どんなことに感動したり、泣く姿はどうだろう。
どんなふうに心を任せてくれるのかな。
わたしはそれらを感じてど思う。
そんなことを考えてばかりいる。
ひさしぶりに雨の朝だけど気持ちがいい。
キャンドルを炊いてコーヒーを飲む。
キミのおかげで日々に色がついてきた。
ターコイズのような緑に、薄い水色、綺麗なオレンジ。
きれいなひと。
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