企業の利益は顧客の利益
僕たちは他人の利益が嫌いです。
他人が利益を出していると、自分が損をしていると考えてしまいます。
しかし、その考えは間違っています。
企業は利益を出すから継続できるのだし、利益を出すから新しい技術を開発し、より便利な商品やサービスを提供することができます。
消費者は、企業の利益をもとに開発された商品・サービスの恩恵を存分に受けています。
「でも利益を出している会社の社長は、高級車を何台も買って私腹を肥やしているじゃないか。」
と考えた人もいるかもしれません。
利益をたくさん出した会社の社長や社員は、たしかにたくさんの給料を手にしています。
その分、僕たちの何倍も、場合によっては何百倍もの税金を支払っています。
国中みんなが僕やあなたと同じぐらいの給料で、同じぐらいの税金しか納めていなかったら、こんなに道路は整備されていないし、学校教育の有償化により教育を受けられない子どもが生まれるかもしれません。
だから、利益を出して、たくさんの給料を手にして、たくさん税金を納めている人たちに、僕たちは「ありがとう」と言ってもいいぐらいです。
お金持ちは心が大きい人が多いので、感謝しろなんて言いませんが。
話を戻します。
企業が利益を出すことで、新たな商品・サービスが開発され、僕たちがより良い暮らしができることは分かりましたね。
つまり、企業が利益を出すこと=消費者が損をしているではなく、企業の利益=消費者の利益なのです。
「元を取る」という言葉があります。
これなどまさに、お店が損するほど、消費者が得をするという考え方です。
消費者としてこのマインドが刷り込まれている僕たちですから、自分が企業の立場に回ったときにも、なんとなく利益に対して後ろめたさを感じてしまいます。
特に介護のような公共の福祉に携わる仕事をしていると、利益=悪だと考えがちです。
会社に利益はいらないから、利用者さんにもっとあれもこれもやってあげたほうがいい。という発想です。
発想自体が悪いわけではありません。
もし社員がみんなで「自分達の給料の一部を返納して、利用者さんに無料のサービスを提供しよう」となれば実現します。
残念ながら誰も言い出しません。「利益は社員に分配すべし」という声なら稀に聞きますが。
利益を出して高級車に乗る社長が税金をたくさん納めて社会保障制度を守り、会社に残った利益で設備を新しくしたり、職員の教育研修の時間を作ったりして、サービスを磨く。
その恩恵を受けた高齢者が低い自己負担率で誰もが良質な介護サービスを受けられる。
今の日本はこういう仕組みで回っています。
僕は悪くないんじゃないかと考えています。
ただ、みんなが利益を叩き、高所得者を叩いているために、この循環が崩壊に向かっていることもたしかです。
持続可能な社会を資本主義で実現するならば、利益は叩がない方がいいですよ。という話でした。
めでたしめでたし
立崎直樹
サポートいただいたお金は、介護医療現場で奮闘するスタッフの育成のための活動資金に全額充てさせていただきます。 サポートを通して、次代の介護スタッフの育成に参加しませんか。