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社員の行き詰まりを解消したい

社員が仕事に行き詰り、目標を見失うと、モチベーションが下がり、仕事の質も低下してしまいます。

できるだけ社員のモチベーションを高く保ちたいけれど、どうしたら社員が行き詰りを防げるのか分からないと悩むマネジャーは少なくありません。

社員が行き詰らないようにするため、マネジャーにできることはないか、一緒に考えていきましょう。


行き詰るとは文字通り、先が見えなくなり行き場を失うことです。

可能性の限界を感じると、社員は行き詰ります。そして「もうこの仕事を辞めようかな」と考え始めます。

可能性の限界を感じるのは、みている世界が狭いからです。

特に介護施設で働いていると外部とのかかわりがないため、自分が働く施設が介護業界・介護職のすべてだと錯覚しがちです。「介護施設はどこも同じ」「介護職はみな一緒」と。

SNS等には「介護業界」を主語とした書き込みがたくさんあります。

・時間優先で、職員の都合に合わせた介護をする。

・サービス残業が当たり前。

・他業種と比べて給与水準が低い。

・退職者が多い。

これらの情報は介護業界全体に当てはまるわけではありません。むしろほんの一部です。一部のことを介護業界全体のことのように語る人は本当に多いので注意してください。


社員の行き詰まりを防ぐためには、視野を広げることが大切です。

自分の職場の外側を見れば、「自分の施設が介護のすべてではない」「今の状況を打破して成長しているところもある」ということがすぐに分かります。

また、介護業界以外を知れば、もっと大変な労働条件で働いている業種は他にもたくさんあるし、もっと給与水準の低いところもたくさんあることも分かるでしょう。


まずはマネジャー自身が、自分の職場の外に目を向けることから始めるといいと思います。同一法人で複数拠点を運営している場合、自社内の他拠点を知ることからはじめてみてください。すると同じ規則で運営しているはずなのに、全く異なる働きかたや、運営方法があることに気づくでしょう。さらに、どうしてその差が生まれたのか、マネジャー同士情報交換すると意外な発見がボロボロと出てきます。

次に、社外の人との交流を持つことです。介護業界の集まりでもいいですし、地域の集まりでも構いません。情報を検索すれば、参加募集している団体はいくらでも出てきます。勇気をもって参加申し込みをしてみましょう。

視野を広げると、本当に多くの発見があります。またそこで出会った人たちとのつながりから、また新たなつながりが生まれます。


マネジャーの視野が広がったら、次はそれを社員にも伝えることです。

まずは自分が職場以外で得た情報や気づきを事業所内で伝えることから始めます。ただし、仕入れた情報をそのまま「○○苑の取り組みを、明日からうちでもやります!」と言うと、職員は引いてしまいます。

まずは〇〇苑の取り組みの優れている点を社員にプレゼンしてください。その時には感情をこめて、熱く語ります。職員は上手なプレゼンよりもマネジャーの熱量に反応します。話を聞いた社員が、よくわからないけど「マネジャーがあれだけ熱く語るぐらいなのだから、きっと素晴らしい取り組みなのだろう」と思えば大成功。

事業所外部の情報を社員に伝え続けていると、閉塞感のあった事業所に風が吹き始めます。外からの風が事業所に吹き込むと、職員の視野もだんだんと広がっていきます。

世界は本当は広いです。私たちが知らないことが沢山あります。

それなのに自分の職場以外の世界を知らずに、行き詰って、この業界から去ってしまうのはあまりに残念です。

マネジャーは自分で広い世界を見に行くこと、外の世界を社員にも見せてあげることを積極的にやっていくと良いと思います。


立崎直樹

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