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トップダウンの指示が必要なとき

社員に任せて、組織として成果を上げるのがマネジャーの仕事であり、すべてにおいてマネジャーが口出しをしていては、社員の成長も組織の成長もない。と僕は常々話しています。

ハーモニーマネジメントは、基本的に社員の主体性を頼りにしたマネジメントなので、トップダウンですべてを決め管理することはしません。

ただし、そんな僕でもトップダウンの軍隊式マネジメントを用いるケースがあります。
それが緊急事態です。
最近でいえば、感染症発生時です。

感染症が発生したときを想定したマニュアルや物品を整備して、いざという時の備えはしています。
しかし、ひと口に「感染症発生」と言っても、いつ・どこで・誰が・どのように感染するのか、すべてのパターンを想定することは不可能です。

リーダーは速やかに状況を把握し、リスクを分析して、速やかに対応策を決定しなければなりません。
これを各々が行ったらどうなるでしょう?
一人ひとりのが自己判断で対応すると、全体の行動に統一性がなくなり、結果的にはどの策もうまくいかなくなります。

なぜ軍隊には厳しい規律があるのかというと、組織の中で一人でも規則を破る行動をすると、全員の生命に危険が及ぶからです。
「攻撃するな」という指示のもと、草むらに身を隠している編隊の中で、一人の兵士が目の前で油断している敵を攻撃をしたとします。
敵を倒して「よくやった」とはなりません。
一人が攻撃することで、ここに自分達がいることを敵に悟られ、一斉攻撃を受けて自軍に多くの犠牲を出す可能性があるからです。
隊長が「攻撃するな」という指示が出ているときは、どんな状況であっても、絶対に攻撃をしません。隊長の命令は絶対なのです。

軍隊とは違いますが、介護現場でも一歩間違えば多くの人の生命や健康に関わる場面があります。
このような不測の事態が発生したときにまず行うのは、指示系統の一本化です。
情報と権限をトップに集約し、すべての指示をトップから発信します。
経験豊富なマネジャーとはいえ、すべて正しい判断ができるとは限りません。それでも現場の社員には自己判断で指示と異なる対応をさせてはなりません。

いまが非常事態でトップダウンのマネジメントに切り替えること、指示通り行動し、もしその指示に問題があるときには、報告・意見することを全員に伝え、これを厳守させます。

初動ではトップダウンでその状況に応じた指示をしますが、数日経って状況が落ち着いてきたら、徐々にミドルマネジメントや現場リーダーへと権限を移行します。
トップダウンはあくまでも緊急事態の初動にのみ発揮します。

状況に応じてマネジメントを使い分けることは、ハーモニーマネジメント(調和のマネジメント)の肝になります。


めでたしめでたし

立崎直樹

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