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Happierインタビュー:やさしさとアクティビズム 齊藤由香さん#3


ユニークな学び場、サンフランシスコにあるCIISとは

サンフランシスコにあるCIISに1年間、大学院大学生の時交換留学しました。とてもユニークな大学で、心理学哲学やIntegral Health(ホリスティックヘルス)やJungian Psychology(ユング心理学)を東洋的な視点で観るSomatics(ソマティック) のクラスを受講。Integrative Healthの初回クラスで驚いたのは、中世のWitch medicine(魔女たちが使っていた癒しの方法)を学ぶクラス。薬学=魔女、が最初結びつかなかったが、確かに「癒し」を広義でみると「世界の伝統」と「豊かな癒し」の統合だと感じ、ハッと目が覚めた気がした。CIISでの授業がきっかけとなり、のちに漢方を学ぶことになった。パートナーであるショーンさんはCIISでIntegral Ecologyを教えている。これはDeep Ecologyの流れをくみ“人間に利する“という視点で環境や環境活動に取り組むのではなく、生態系の一員としての”人間“に焦点を当て人間中心主義によって引き起こされている現在の環境破壊や気候変動へと目を向けることを指します。海の問題も、森林問題も、人間に突き付けてくるのと同時に、時間的なもの、空間の広がりが産まれてくるもの。皮膚で囲まれたひとつの生命体が私、と捉えるのではなく「私」というものがアイデンティティーを広げられる、という大きな概念のなかでの「自分」と「自分以外の生物との関係性」を捉えることを掘り下げていく学問です。
https://www.ciis.edu/academics/graduate-programs/philosophy-cosmology-and-consciousness


*注6:Deep Ecologyとは
人間の利益のためではなく、生命の固有価値が存在すると考え、環境の保護を支持する思想。1972年にアルネ・ネス(ノルウェー)によって提唱された。ネスによると、すべての生命存在は、人間と同等の価値を持つ。従って、人間が、生命の固有価値を侵害することは許されないとされる。ディープエコロジーにとって、環境保護は、それ自体が目的であり、人間の利益は結果にすぎない。


日々の暮らしの中で大事にしていることは?

好きなこと、毎日していることは本を読むこと。本を読むことで想像力を生き生きとさせておくことが大事と感じている。自分のできる経験は人生でひとつ、冒険向きの性格ではないが本のなかで冒険することが出来る物語が好きです。寝る前に読むことを習慣としていて、日本語で読むのが好き。日本語の美しさにとりこになっている。バークリー繋がりで、バークリー生まれの作家アースラ・ル・グウィンさんの「ゲド戦記」、梨木香歩さんの「家守綺譚(いえもりきたん)」、上橋菜穂子さん「鹿の王」などがオススメ。本好きのため、日本に行く際に古本屋さんで買って箱に詰めて、SAL便でアメリカに送っています。

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日本に住む・世界に住む日本人へのメッセージ

「集いあい、問い合うことが力です」
(東工大中野民夫教授がジョアンナ・メイシーさんに言われた言葉)
どうせ解決できないと投げてしまわないことが大事。ひとつひとつ、目の前の関係性を大事にすることから始めましょう

◆お知らせ
ジョアンナ・メイシーの「つながりを取り戻すワーク」を、齊藤由香さんのファシリテーションで経験できるオンライン・アーカイブはこちら: https://life-practice.h-potential.org/course/comingbacktolife

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