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友達論『FRIENDSHIP』を自問自答しながら読む。感想


友達論で話題の『FRIENDSHIP』を読んだ。

現在思想 友達の現在』は面白く読んだけど、『FRIENDSHIP』は自分と向き合う読書になると思う。特に、「友達」ってものにコンプレックスがある人はなおさら……。

『FRIENDSHIP』の感想と個人的な体験についてまとめてみる。




愛着のスタイルを知る!


愛着スタイルには、
安定型と不安型、回遊型がある。


安定型は、愛着に対して素直。
好意を人に向けることをいとわないし、拒絶されたとしても、誰か別の人に癒してもらえる。


不安型と回遊型は愛着にコンプレックスがあって、
愛に不安を感じるあまりに、与えすぎたり求めすぎたりする不安型。
愛に無頓着になることで自分を守ってきた回避型は、愛を理解出来ず感情に麻痺している。


どれが自分が当てはまるか考えるだけでも、自己理解が進む。


チェックリストではどの型か確かめられるし、色んなケーススタディがあって、
安定型だけど、調子が悪い時は不安型だ…みたいにハッキリ決められるものではないとわかってくる。


自然とは出来ない!


大人になってから自然と友達が出来る…そんなことはないとバッサリ。


友達は近くに居るから出来るなんて…そんな馬鹿な。

 友情の秘訣は、苗字でした。その警察学校内で親しい友達を選ぶよう言われた訓練生は、90%という驚くほど高い割合で、自分の隣に座った人を挙げたのでした(*131)。

Kindle版165ページ

人間関係って意外にも単純なことの積み重ねなのかも。


定期的に会うけれど、ローコストな環境が適しているらしい。それって現代社会が失った、「地縁」そのものだ。

遠い親戚よりも近くの他人って言葉も、「地縁」を失った人の実感だよなぁ


現代社会で大人が友達をつくるには、
定期的な関係で
挨拶をしたり
連絡先を交換して
2人で出かけてみることが大切…_φ(・ω・` )



『若者の読書離れというウソ』を読んでて、若者も友達が作りにくいから「友情」ものが読まれるとあった。

誰かに本音を吐露し、激情を交わし合いたいという若者のニーズは根強くある。にもかかわらず、ズケズケと相手の内面に踏み込み、本音をぶつけ、感情を互いに昂らせ、分かち合う関係は、虚構のなかにしかほとんど存在しない

Kindle版83ページ



引用されてた、
『友人の社会史』も面白そう。
時代とともに関係性が流動的になると、新聞記事に「友情の物語」が増えてくるとか。



友情を育てたくても育てられない場合が多いんだろうなぁ…


友情に気づけない!


不安型や回避型は、
人にどう思われているかを気にしたり、気にしなかったりして、友情の芽を枯らしているらしい。


まずは、自分がどの愛着スタイルなのかを知っておくと、感情のコントロールが効くってことなんだろうな。認知の癖。

その上で、自分の認知が必ずしも絶対ではないことを考慮しておく。

安定型に多い、自分は好かれていると想定するときの自己成就予言は、「受容予言」と呼ばれるらしい。

事前に相手が自分に好意を持っていると思い込まされた人の場合、自分について多く開示し、反対意見をあまり言わず、ポジティブな態度を見せ(*127)、究極的には、予言が現実になりました。

Kindle版151ページ


嫌われているのに違いないと思うより、
好かれているという(嫌われてはない)と思った方がオトクだ。



友達は友達だと思ってない!?


自分が友達だと思っている人の半数は、こちらを友達だとは思っていない(*250)」という研究結果を考えると、誰が本当の友達かを判断するのは、思う以上に難しいものです。

Kindle版387ページ

とあって、怖!ってなった。結構後半の方で、ポロッと出てくる。要注目。

もちろん、好意的にするのは相手を選んでとか、弱さを見せるのも程度をみてとか色々書いてあったけども。


多分「友達」のレベルの違いなんだろう。
どの程度の人間関係を、「友達」というのかって「家族」や「恋人」に比べるとハッキリしない。

まぁとにかく、自分がいいなと思ったら、声をかけるしかないんだろうな

言い換えれば、この人と仲よくなれるかも、という直感は当たるのです。

Kindle版164ページ

って書いてあったし。


友達こじらせている人は、
『それでも女をやっていく』
で客観的になれるかもしれない。
あーわかるな…の連続。


文芸トークしたい!

これからはウェルカムに人を誘ったり誘われたりしたい…と思いつつ、チキンなので少しずつ…

最近面白いコンテンツの話とか文芸の話をしましょう。美味いものを飲んだり食べたりしながら…。



個人的な話〜

不安型のチェックリストにやたら丸がついて、たけど、読み通してから改めて見ると回遊型しかないなと思った。

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