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新たなまちのあり方「エリアリノベーション」②

前回はエリアリノベーションの共通4つのコトを解説しました。

今回はその続きとして、「それぞれの地域で違うこと」ということで解説していきます。

参考文献 エリアリノベーション変化の構造とローカライズ 学芸出版社
※この本を元に私個人の見解を述べています。

2.ローカライズを分析するために9つの質問

 地域ごとに異なる点として9つのポイントに着目して分析しています。下の表は、6つの事例の9つの質問をまとめた表です。全体概要はこれです。スマホだとみれないかもです。すみません。

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2-1.変化の兆し/sign

 エリアリノベーションはどのように始まったのか、その最初の要因は様々です。東京の日本橋の場合だと、「空き家ってかっこよくね?」みたいな感じから始まっています。
 一方、尾道市の場合、私道にしか接してなく、法的にかなり不利な場所で、どうしようもなくなって...、みたいなところからガウディハウスが出来てそこから市と協力しながら発展していくみたいな例もあります。

2-2.きっかけの場所/place

 ここは変化の兆しがどのように生まれたかが大きく左右します。個人の力で始まった日本橋では「白く塗るだけでかっこいい」からUT/Untitledができています。
 一方、岡山市問屋町ではどこにもない新しい町を作りたいという思いがあり、そこから建物ではなく町の価値を上げる方向に計画していたため、最初のテナントは岡山らしいエッジの効いたテナントにしています。この一歩が一つのストリートの活性化させるエリア開発の重要な一手ようになっています。

2-3.事業と流れ/ monetize

 マネタイズは特に色々な方法があります。長野市善光寺門前では「my room」がお客様が建物を見つけるところだけでなく、実際に図面を書いたり作ったりして、トータルでサポートしている。だからこそ、小さなエリアにとどまって活動できる。狭く深く関わっている。
 北九州市ではリノベーションスクールというスクールを立ち上げている。これは市民がそのスクールに参加し、市民自身がテナントなり住宅なりで空き家問題を解決する。その際に地元の専門家の人がサポートする形だ。

これが、プロモーションにもなり、エリア開発にも繋がってく、効果的な手法だと思います。

2-4.運営組織の形/operation

 運営組織の形は「事業のマネジメント」といってもいいとおもいます。例えば、大阪市阿部野昭和町では「Be local partner」が始めたマーケットでは

町にある質のよい店を地域の人にしってもらい、その後も使ってもらうこと

という目的をやっており、店を継続していける仕組み、新規顧客を取り入れれる機会の両方をこのマーケットで行っています。

2-5.地域との関係/consensus

 エリアリノベーションは、既存のコミニティとの関わり合いも当然重要になってきます。全く新しいコミニティを作った日本橋の例もあります。一方で既存との繋がりを大切にしているところもあります。
 尾道市では、空き家プロジェクトの人たちが地域の人と入念にコミュニケーションをとり、信頼を得ながら地域の空き家を減らしそれと同時に若者を入れ、新しいコミニティを作っていっています。

2-6.行政との関係/partnership

 行政との関係で一番うまくいっているのは、リノベーションスクールのある北九州市かもしれません。これは、行政と産業ががっちり協力しているPPPモデルを採用しています。これは、デンマークのときにやったやつですね。

2-7.プロモーションの手法/promotion

 この記事の見出しの画像は日本橋のプロモーションの1つであるマップです。地図を作ることで、観光客を呼び込もうことでエリアの発展に寄与しています。
 大阪の事例では、SNSのプロモーションに注目しています。このリノベした空間は”手作り”、”レトロ感”、”ローカル感”といったものを好む30~40代の女性がターゲットです。この層はSNSの発信力があります。写真がとれそうな場所を意図的に用意する。このような工夫が分かります。

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2-8.エリアの影響/impact

 この6つの事例には共通点がいくつもありその1つは作る人、計画する人がここを働くの拠点にしていることです。だからこそ長い時間をかけてエリアに波及していきます。北九州市が4年間で17件です。これの時間間隔は人によるかもしれませんが、僕は長いと思います。

2-9.町に定着するポイント

 やはりどこも建物だけを変えているわけではありません。長野では建物の形だけでなく、町のとの関係性を設計していくといっています。また、北九州では「建築家をリノベーション」ということも謳っております。多分、作り手が使い手になることが求められている。使っていく中でいいものを作っていく。そして信頼を集めていく。このサイクルを作り出すと町に根付いていくと思いました。

写真引用サイト http://ud.t.u-tokyo.ac.jp/ja/blog/2019/07/post_143.php


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