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[日本庭園②]庭園に地域性はあるのか

どーも、よーたです。
さて、今回は前回の続きで日本庭園について説明していきます。あらかじめいっておきますが、この記事は、庭園がよく分からん!っていう人のために書いています。僕自身もよく分かってないところがあるのでご了承ください。

「座って楽しむ」

 この座って楽しむの代表が龍安寺ですね。これは座って楽しむ庭園の代表のような手法「枯山水」です。
 この枯山水は水を使わずに山水を表現する庭園様式です。

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この座って楽しむを正式には「座鑑式庭園」と言います。視点場(建物)から座って眺めると、奥行きを感じられたり、斜面を用いて立体的な作りにするなど、の工夫があります。また、ここで忘れてはいけないのが、「借景」です。

借景とは遠くの山々を庭園の一部のように扱う取り組みで,まさに風景を借りるという手法です。そのため、座鑑式庭園は京都、奈良などの盆地や東北や中国地方の山々があるところに多いそうです。


3.地域で分解する

 日本というのは、この狭い土地で気候も文化も大きく違います。自然を楽しむこの庭園は土地ごとにどう違うのかを解説していきます。

京都・奈良

地勢:盆地にあり周囲を山々に囲まれた風景
植栽:様々な樹種をを植栽するだけでなく、それらを丁寧に管理してる

古都に作られた豊かな資源を生かした庭園文化。盆地に囲まれ、枯山水などの借景などの手法が多く見られたそうです。

中でも、私がオススメなのは天龍寺庭園です。

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 建物内から風景を楽しめる庭園です。手前の木々は紅葉の時には色鮮やかになります。その手前の池とその池にある岩によって奥行を出しています。また、奥の山々があることでどこまでも庭園が拡がっているような表現が出来ています。京都の地勢と植栽の良さを生かし切れた庭園だと思いました。

東北・北海道

地勢:広大な平野と南北に縦断する山々
植栽:寒冷地ならではの針葉樹

山々に囲まれた平野で発達した東北の庭園文化。寒冷地である樹木をいかした他の地域には見られない風景を作り出せる

それで、私のオススメが南湖公園です。

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広大に広がる湖に、寒冷地であることを象徴する白い山々。東北というものを詰め込んだような庭園になっています。この大きな庭園の他にも建物などもあり、そこは紅葉なども楽しめる場所になっています。

関東

地勢:富士を望む、広大な関東平野
植栽:ソメイヨシノなど変種改良によってうまれた江戸の園芸文化

 鎌倉幕府と江戸幕府、2つの幕府よって急激にさかえたこの関東平野。鎌倉ではその特異な地形を生かし、武家屋敷や寺院とともに庭園が造られた。一方、江戸は江戸幕府のときに多くの大名庭園が作られた

関東といえば、日本三大庭園の1つ「偕楽園」があります。

 三大庭園の中で唯一、湖がない庭園です。この庭園のすごみは圧倒的な梅の花。関東で栄えた桜や梅などの派手な色の植栽。まさに、関東を代表する庭園だと思います。

甲信・東海

地勢:日本アルプスを始めとする山々、広大な平野と盆地
植栽:高山植物などの多種多様な植生

江戸と東京に挟まれた地域。そこは山々の多く高低差の激しい地域。文化としても地勢としても様々な様相が見られる日本の真ん中の地域かなと思います。

関西・北陸

地勢:湧き水豊かな平屋が拡がる北陸、臨海埋立地である関西
植栽:豪雪地帯として発達した造園技術

京都の技術を反映させ、かつそれを自身の地域性に合わせたこの地域の庭園。兼六園などの植栽は豪雪地帯に合わせて発達した独自の手法です。湖を中心に庭園が展開されています。

中国・四国

地勢:河口平野に広がる池風景
植栽:温暖な気候下でなじみのある竹類

後楽園(岡山)、栗林公園(香川)、縮景園(広島)など瀬戸内海で発展した大名庭園。用水路が整備され、池の水をためるためにこの用水路を利用されたという。庭園巡りをするならこの地域はオススメです。

九州・沖縄

地勢:火山や開拓地を活用した庭園群
植栽:南国を代表する植栽「ソテツ」

地熱発電など、日本でも有数の火山地帯である九州、火山を借景とした風景に、この温暖な地域独特の石や植栽をで彩られた庭園群。台風なども多く沖縄によく見かける「瓦」も特徴的です。

まとめ

 今回は、3つの観点で庭園を分類分けしながら庭園を解説していきました。大きく分けて、「パーツ」、「行動」、「地域性」。日本各地で様々な形で様々な楽しみ方がある庭園。「もー庭園なんてよく分からん!」といわずに、一度、分解して考えると「ここ庭園はこんな工夫があるのか!」などが分かってくるかと思います。






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