[日本庭園①]庭園の楽しみ方
庭園って皆さんにとってどういう存在ですか?日本の建物の良さはまだなんとか理解できるけど、庭園に関してはさっぱりです。みたいな人は多いと思います。「枯山水」「日本三大庭園」「回遊式日本庭園」?よーわからん
なにがどうなって、どうなのかがわからん。こういう人のために今日は日本庭園について解説していきます。
ちなみに、僕も、初めて知ったことが多いのでご了承ください。
概要
まず、庭園といってもよくわからんことが多いと思います。そのため、いろいろな観点から分類分けして説明していこうと思います。
①パーツで分類する
庭園を構成する要素はいろいろとあります。湖だったり、竹藪だったり、石だったり、桜だったり。上げたらきりがありません。しかし、これらは大きく分けて「点」「線」「面」3つのパーツに分類できます。
②行動で分類する
この行動は大きく分けて2つです。
座って楽しむ
龍安寺などがこれに該当します。建物の中から庭を見ます。奥行きを表現したり、斜面を使い立体的な空間を作ったりしています。
歩いて楽しむ
後楽園、兼六園などがこちらに当たります。有名なものは歩いて楽しむものが多いです。庭園をめぐることで景色の変化を楽めるような工夫があります
③地域で分類する
庭園は地域によって違いはあるのか?それはどのような違いなのか?そしてそれはなんお要素によって違いがあらわれたのか?これを解説していきます。
1.パーツで分類する
下の図は庭園を点・線・面に分類したのを現した図です。
では、この3つは庭園においてどういう役割をになっているのかを解説していこうと思います。
点
要素:建物、樹木、灯篭
役割:風景の中心になる、視点場(建物の内で庭園を見る)、
解説:ポイントで空間を引き締める役割を担います。
上の写真は後楽園の地図になります。中央に大きな湖と芝生が広がっています。いわゆるこれが面ですね。湖と芝生だけではのっぺりとした風景になってしまします。そこで湖の真ん中に築山を作り樹木を配置することで高さを出して空間に奥行を演出しています。
線
要素:生垣、竹垣、石橋、延段、飛石
役割:風景、視線をつなぐ、遮る
解説:線の部分では視線や風景を繋いだり、断絶したりしています。日本の庭園や建物はここがめちゃくちゃうまいです。
隈研吾さんの「境界」という本でも橋というのは境界になっていると説明していましたが、庭園を見るとそれがよくわかります。上の写真は栗林公園の写真です。橋は人の動線をつなぐ要素にもなっていますが、空間的に湖という面を橋によって切断していますよね。のこのような線というもの使い方は本当に勉強になりますね。
面
要素:湖、築山
役割:全体のベースとなる要素
解説:これを土台にして、線と点で空間のディテールを決定していきます。ここは省略してぎみでいこうかなと思います。
2.行動で分類する
今回、一番皆さんが疑問に感じているところだとおもいます。
庭園って歩き回って散策する庭園と、
縁側から見て「いい景色やねー」、と座ってのんびりする庭園
2つあるけどっちも同じ庭園なの?
ですよね。これはどちらも同じ庭園です。しかし、やはり庭園の楽しみ方も違いますよね。今回はそこら辺の違いも解説してきます。
「歩いて楽しむ」
これは、庭園を歩いて、風景の変化などを感じながら楽しんでもらいます。視界が遮られていたのが、急に開けたりして、変化を感じることができます。そして、この「歩いて楽しむ」庭園もさらに3つに分類できます。
回遊式庭園
有名な庭園に見られる庭園様式で、日本三大庭園の2つはこの庭園様式です。ちなみに先ほど紹介した、栗林公園、後楽園はどちらも回遊式庭園です。池の周りをまわり茶室や名所風景を楽しみます。
路地庭(茶庭)
茶室に至る間に配置された庭園です。飛石などで動線を作り、茶室の周りを作っています。
おそらく、豊田市立美術館に付属している茶室もこの路地庭だと思います。
壁の外に並べられた柱、伸びた軒。手前の庭と茶室がつながりを作っています。建物を雁行に配置して空間に奥行を表現しています。めちゃくちゃ、おススメです。豊田市立美術館と一緒にぜひ訪れてください。
浄土庭園
極楽浄土を表現した庭園様式で池を境にこの世とあの世に分けられ、両岸は橋などで結ばれているといものです。
下の写真は浄土庭園の代表的な庭園である毛越寺(もつじてら)です。
今回は以上になります。次回は龍安寺などの「座って、楽しむ」庭園の紹介から説明していきます。
下、次回の記事です。
参考文献 日本の美しい庭園図鑑 著 大野暁彦、鈴木弘樹
出版所 株式会社エクスナレッジ
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