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2021年 日本の広告費から考える今後の戦略

先日、2021年 日本の広告費が発表され、「インターネット広告費」が「マスコミ四媒体広告」を初めて上回った。と話題になっていますね。

時代は変わったな…と思う気持ちもありますが、遅かれ早かれそういう時代が来るというのはわかっていた人も多いような気もします。

参照元:https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0224-010496.html

「これからもインターネットの広告費は伸びていく」
もうこれはわかりきったことな気がしますが、今回は、それ以外で気になったポイントを紹介していきます。

マスコミ四媒体由来のデジタル広告費が1,000億円を突破

つまり、新聞デジタル、雑誌デジタル、テレビデジタルの広告が伸長しているということです。
伸長率でいうと、130%を超えています。
新聞デジタルに関しては、2021年はオリンピック・パラリンピックが開催されていたため、その影響も大きいとされています。
テレビデジタルは、動画そのものが伸びている業界なので、その影響もあって伸びているのでしょう。

個人的に気になるのが「雑誌デジタル」広告。

「雑誌デジタル」広告は、構成比も0.9%と、数字だけ見たら小さいですが、新聞デジタルやテレビデジタルに比べると、比率はだいぶ高いです。

雑誌は他の媒体と比べて、「カテゴライズ」がしやすい媒体です。
「女性ファッション誌」「ゴルフ雑誌」など、ターゲットを明確にしないと読まれない媒体が雑誌です。
それは、デジタルに限らず、紙面の雑誌もそうですよね。
今は、受動的に情報を取るのではなく、主体的に情報を取りに行く時代と言われています。
(テレビの需要が落ちてきているのもそれが原因と言われていますよね。)

雑誌デジタルというのは、「テーマ」という枠を作り、その枠の中で、ユーザーが自由に情報を取捨選択できるものだと考えています。
なので、今の世の中のニーズにもマッチして、伸びているのだろうと思います。

話は変わりますが、先日、久しぶりに書面の雑誌を購入しました。
ユーザーとしてというより、顧客をPRする上でのメディア調査として購入しましたが、やはり世界観は統一されているなと感じました。
どういうことかというと、その雑誌はたぶん5年ぶりとかに購入しましたが、5年前のテイストと変わらないのです。
これは、徹底的な世界観があるからなんだなと思っています。
そして、その世界観が好きな人は、書面→デジタルへと移行がしやすいのも特徴です。
つまり、そういった世界観とマッチした広告をうつことで、ミスマッチを防ぐ広告を出すことができる、ということです。
今はSNSとの連携も可能になりました。そして連携が必須にもなりました。
SNSとどう共存していくかがポイントになります。
そういう意味でも、しっかりと雑誌デジタルの研究することは必要なことではないかなと思っています。

折込チラシも伸長している

折込チラシ、2019年と比べるとだいぶ縮小はしていますが、コロナの巣ごもり需要、在宅需要により、2021年に持ち替えしたようです。
これって、改めて大切なことだなと感じたのです。
先日、社内で、クライアント様の戦略を考えていました。
「お年寄りをアプローチしたい」というご意見。
社内では「回覧板とかチラシじゃない?」と冗談まじりに話をしていました。
しかし、このデータをみて、冗談ではなく、本当にそれがいいんだなと思いました。
私はWeb業界が長いので、あまりチラシ戦略というのは考えたことがなかったのですが原点に立ち返り、とても大切な戦略だなと気づくことができました。
今後長期的にどうなるかはわかりませんが、やはりチラシというのはWebとは特性が大きく違い、チラシでしか表現できないもの、チラシでしか訴求できないターゲットもいるということは忘れてはいけない。と思いました。

DM(ダイレクトメール)も伸長している

最近「リスト化」という言葉をよく聞きます。
SNSなどで接点をもった潜在顧客の連絡先などを管理して、サービスの訴求を直接行う手法です。
例えばInstagramやTwitterからLINEに誘導する流れは最近流行っています。
「リスト化」した潜在顧客に、パーソナライズDM(その人だけに向けたメッセージ)を送ると、刺さる、というものです。
LINEにも、Lステップやプロラインなど、様々なサービスがあります。
Lステップは、チョコレートプラネットを起用したCMにしたことで、だいぶ認知が拡大していますよね。

趣味嗜好が多様化している世の中だからこそ、「その人」に向けた訴求というのは今後も必要になってきますよね。

そして、ビジネスの起点であり、行き着くところは、「その人個人に向けたサービス提供」が必要であると感じています。
最近では、Cookieへの規制や、個人情報保護法の改正などで、広告業界もだいぶダメージは受けています。
この件に関しては、個人的にも本当に大変だなぁと思ってはいます。
ただ、行き着くところは、「一人の人を大事にしたサービスができているか」というところな気はしています。
良いサービスを作って、需要があるところに供給する。これが最も大事なポイントですね。
といっても、そう簡単に行かないのがビジネスではあるのですが…

だいぶ長くなりましたが、これが、私が考える「2021年 日本の広告費から考える今後の戦略」です。

ぜひ参考になると幸いです。


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