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道いっぱいのツツジ

外に出れば、道いっぱいのツツジに出会う。
濃いピンクのものから、薄いピンク、それから真っ白なものまで。

私が小学生のころ、友達から「ツツジの蜜、あまいよ」と教えてもらってチューチューと吸っていた記憶がある。そのことを思い出して息子にも教えたのだけど、あとで調べたらツツジには毒がある種類のものもあるので、吸っては駄目なのだとか。あとから青ざめる、みたいな体験は子育てにはつきものなのかもしれない。

「ツツジの中には毒をもつものがあって、普通のひとは見分けがつかないから、吸わない、っていうのが安全みたい」
私の不学のために、息子にはわりといつもこの調子である。

親の収入と子どもの学歴には相関があるっぽいのは周知のとおり。
そこへいくと、息子は大丈夫かしら、と心配したくなるのも親心で。

とはいえ、息子の様子をみていると、マインクラフトで大人顔負けの建築をしていたり、小学生でも習わないような漢字を嬉々として書いていたりと、なかなか親バカ心をくすぐってくれる。

「子供は天賦の才を持って生まれてくる」という言葉が、私の不安になりがちな子育てを励ましてくれている。きっと子供はやりたいことをやるのだから、親は邪魔しなければよい。それなら私にもできそう。


息子がグレて「こんな家、出てってやるよババァ」と言ったあと、「何言ってもいいが大学にだけは行っておけ」と送り出し、旅立つその日に「これ持っていけ」と渡します。