いつも下を向いていた
いつも下を向いているようだった
陰も日向も誰もが知らない、僕だけの箱庭だった
ほんの数分再び鐘がなるまで目をつぶって数秒
その時だけは息ができた
見えもしない後ろ指と嘲笑の目線
いつも下を向いていた
僕ではないと信じていたかった
縮こまる背中と早まる足音、どこに逃げても追ってくるような気がして
ただここだけは誰もいない
ひと息ふた息
こんなに空は鮮やかなのか
いつぶりかに見た青空
鍵の壊れた重たい扉
立ち入り禁止の破けた張り紙
何も無い青さに純粋に溶けだした
また上を向いた前は見えない
僕の青春はここで死んだんだ
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