Polaris

日の落ちるのが早くなった。会社からの帰路で、もう星が見える。

低い空に大きな雲があるが、風が強いらしくどんどん流れていく。月が出たり隠れたりしていた。

ひっそりしたポラリスが見えた。普段はあまり気づかないのに、めずらしい。いつだって見えるのに、そんなに目立たない北極星。光度に比べて仰々しい感じがするから、響きの軽い“ポラリス”という呼び名の方が好き。

最近、気がつくと空を見ている。
仕事中の昼間、わたしのデスクから窓の外は見えない。だから朝夕の通勤途中、子どもを寝かしつけてる途中の窓辺から、ゴミ捨てに出た夜中に、空を見上げる。
言葉は出ないし、思考は動かない。
空なり雲なり星なりを見ている間、わたしの時間は止まる。それを求めて、空を見ているのかもしれない。

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