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【私も○○に連れてって】
翌、月曜日に4階病棟に移る日程が決まると思われたが、4階の師長さんが休暇だと言う事でまだ決まらず。
しかし、今週中には移動するとのこと。
火曜日になり、主任の石井さんが「明日移る事になったからねー」と言いに来た。
2階の滞在は、ちょうど2週間だった。
2週間しかいないのに・・・色々な事があったと感慨にふけた。
そんな時だった。
「お風呂ですよー」
そう、今日は火曜日お風呂の日。
2階での最後のお風呂だった。
前回同様、津軽ちゃんとマークさんのコンビだった。
同じ人に入れてもらえるのは、知ってるだけに安心した。
津軽ちゃんは指股の垢すりを今回もしてくれた。
今回そんなに出ないみたいで、ちょっとがっかりしていた。
それは、僕が綺麗な身体になってきという事。
嬉しかった。
帰りのエレベーターの中で僕は津軽ちゃんに「お風呂2回も入れてくれてありがとね。お風呂入れて貰ったこと忘れないからね」と言うと
「ほんとですか~」と言われ2人で笑った。
水曜日。
4階に移動する日がやってきた。
普段通りの1日の始まりだった。
本当に今日4階に移るのかな?なんて思うぐらいな感じだった。
今日の担当ナースは、背がスラッと高くメガネ美人のこすさんだった。
彼女は20代後半かな?とても優しい美しい人でした。
数回僕の担当になって色んな話をするうちに、小学5年生の男の子がいると伺いびっくりした。
「こんな美人のお母さんがいるとお子さんも嬉しいでしょうね」と言うと「色々大変なのよね〜」と言っていた。
そんな彼女が最後の担当で良かったと思った。
持ち物の整理をしてもらいながらボソッと言った。
「私も一緒に4階に連れていって欲しいな」
僕は「なんで?」と聞くと「今日も大変だったのよーおばあちゃんに噛みつかれて、痛いから話して!って怒っちゃったよ」と言った。
「へー!こすさんも怒るんだ。怒らなそうなのに。」と言うと「私も怒るんだよー」と笑いながら話した。
「4階は、2階と違ってちゃんとお話ができる患者さんが多いだろうから4階に一緒に行きたいな〜」と言っていた。
僕の知らないところでは、いろいろ大変なんだと思った。
4階から迎えが来た。「こすさん、ありがとう!元気でね〜」と言って病室を後にした。
エレベーターの前で待っていると、なみちゃんやたくさんのナースに見送られた。
見送られると少し恥ずかしかった。
その実、嬉しかった。
つづく
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