3月31日 ①

 退職書類が届いた。届けてもらうようになるまでめちゃめちゃ時間がかかったのに、今になって速達を使ったようだ。窓口から出したらしい消印、そして貼られたシールの金額が通常の倍だ。何してんねん、とちょっと思う。ほんま何してんねん。
 中身を見て笑った。一枚の書類の中に印字された私の名前が、別人だった。読みは…私のことだとわかる。しかし姓も名も、漢字が違うのだ。
 姓は…割とよく間違えられる。ずっと気付かれないまま、伝えても変わらないことさえままあるので、誰もが気にしないのだろう。人の名前を間違えることが失礼だと、誰も思わないのかも知れない。人って案外いい加減だ。
がしかし、名までまとめて間違えられたのは初めてだった。間違えにくい漢字ではないが、仮にも公的文書なのに、フルネームごと誤字って…一体どれだけ慌てたのだかわからない。
 ちゃんと仕事していてくれたら、こんなことにならないのでは…?なんてキツイことを言いたくなる。言いたくなるが言わないから、こんなところに書いているのだけれど。
 各種手続きは明日になりそうだ。本来なら今日中に終わらせて、心機一転来月からは、前進することだけを考えて動く方がすっきりと清々しい。だから届いた途端、走り回ることも考えた。出来なかったわけでもない。無理さえすれば…。
 しかし外は雨。銀行に行っても、窓口はあと5分で閉まる。4月5月は期待できないが、月初めはハローワークの求人が一挙に入る。それを確認してからにしたかった。速達なんかで届くと思わなかったから、明日確認して、動き回るのは週明けか…と。
 最後の最後まで予定が狂う。相性…良くなかったんだな…。溜息をつきながら実感するほかない。

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