4月6日

 自分と似たような立場で、社会的な不幸の境遇に埋もれている人の悩みを読んだ。
 ネット社会だからか、現実的に考えてそうだからなのかはわからないが、一刀両断というか、下手をすれば真剣に悩んでいる相手に対し、傷付けるようなものの書き方しかしないような回答者が多すぎて、自分に向けられた言葉ではないのに、ずたずたになった。
 SDGsという言葉が世の中を駆け巡るようになり、その基本的な理念とされる「誰一人取り残さない社会」という心が救われるような謳い文句は、単なるカッコつけの大口なのではないかと見紛う。「誰一人取り残さない社会」…誰一人とか言ってるのに、取り残されている人は目に見えて存在する。そのため対策も、前進しているとはとてもじゃないが思えない。
 有効求人倍率なんて誰に向けて調査しているのだろうと思うし、中高年層の引きこもりの実態に対し、差し伸べられる手は何処にあるのか、問題視されているにも拘らず、スルーされていることは山のようにあるではないか?
「一億総活躍社会」なんて理想ばかり掲げているが、それって私の好きな“捕らぬ狸の皮算用”と、どのくらい違うのだろう。
◎若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会。
◎一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会。
◎強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという『成長と分配の好循環』を生み出していく新たな経済社会システム。
 書かれたものを読んでいるうちは、希望しか感じない。なのに、SDGsみたいに2030年なんて遠い未来を目標にされて、今、苦しい中で不安だらけの真っ暗な海であっぷあっぷしている人間は、何処を目指せば足の着く陸地まで辿り着けるのか。目標とされている数年後まで、ずっと海中に浮いていろというのだろうか?
 言うのはタダ。書くのもタダ。
 しかし、国民の税収で贅沢している国家というものが、目に見える結果を出さない限り、実現出来る社会などない。
 耐えろ、我慢せよ、と言うのもタダ。
 夢を見るな、理想を追うな、と言うのもタダ。
 現実を見て人生を諦めろと言うのもタダだ。
 私は苦しいが、私より苦しい人もいっぱいいる。
 一億総活躍社会もSDGsも、実現なんてしない。このままでは。
 具体例を示し、結果を出して欲しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?