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詩「花の夜」

静かに眠る古里の街に
星の雫の滴る夜は
もう帰らない君の声が
歌うように聞こえてくる

君の流した苦い涙も
果たせなかった志も
今となっては何もかもが
美しい命の証となる

取り返しのつかない喪失が
刺すような悲しみを与えても
真っすぐに生きた君の勇気は
かけがえのない僕の誇りだ

いつまでもやむことなく
花の雨の降る夜は
この道を駆け抜けた君の
後ろ姿に声が届かない

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